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2010-4-11 奥出雲おろち号(3) 散りゆく花の潔さ





散り行く花 [VHS]
中国人青年チェンハンは、仏の教えを布教するべくロンドンに向かう。洋々たる前途に胸を躍らせる若者は、数年後貧困街で雑貨店を営み、失意の日々を送っていた。一方、少女ルーシーは義父の暴力に怯える毎日。ある日2人が出会ったことで、二人の胸にわずかな希望の光が差し始める。・・・
中国人を演じるためのメイクや、オーバーな怯え方など、ちょっと慣れない箇所もあったけれど、予想以上に面白い!中国の街からはじまって、ロンドンの貧困街、怪しげな阿片窟など、ちょっと霧のかかったような映像に引き込まれました。単なる白黒ではなく、場面ごとに青、セピア、紫と色が変わるのも素晴らしいのです。物語自体は単純だけど、「こんなはずではなかった」と苦悩する青年の挫折や、虐待に涙する子供など、現代にも通ずるものがあることに驚きました。
無声映画だから台詞は字幕(+弁士の語り)だけですが、それでも罵声や恐怖の叫び、殴る音が聞こえてきそうな虐待シーンの凄まじさ。二人で一時の安らぎを得る場面での中国のオルゴール。映像と俳優の演技だけで、台詞や音楽まで伝わってくるかのようでした。撮影当時、20代だったリリアン・ギッシュだけど、少女としか思えないほどいたいけで繊細で可憐です。滑稽なほどに目を吊り上げても美男子のリチャード・バーセルメスや、『シャイニング』ばりの恐ろしさで主人公を追い詰めるドナルド・クリスプなど、役者たちの演技もお見事です。哀しくも美しい絶品のメロドラマ、ぜひぜひ観てみて下さい。

 

散り行く花 [DVD] FRT-144
ハリウッドの黎明期から、100歳近くで亡くなる少し前まで長く活躍した女優、リリアン・ギッシュの若かりし頃の主演作です。

こちらも時代がサイレント映画からトーキー映画に移り変わっても長く活躍した名優、ドナルド・クリスプ(我が谷は緑なりき、緑園の天使等)が、ボクサーでありリリアンを虐待する父親を演じていますが、その無軌道ぶりが恐ろしい。これが最近の映画であれば、例えば父親自身の幼少期のトラウマであったり、普段は優しいのに酒を飲むと暴れる…の様な設定が加えられるものだと思いますが、この映画の父親はボクシングの試合で発散しきれない闘争本能をそのまま自分の娘にぶつけているかの様で、虐待の理由の描写も無く、見ていて「なんでそこまで!?」と思ってしまいますが、逆にそこがリアルに感じられます。そんな凄惨な描写の中でリリアンはまさしく、儚い一輪の花の様です。

イントレランスや国民の創生とは印象が大分違いますが、グリフィスがなぜ評価されるのか、この映画を見て理由が少し分かった気がします。

特典映像は無し。日本語字幕の本編のみです。

 

嵐の孤児 <全長版> [DVD]
D・W・グリフィスが自作『イントレランス』の中世フランス編を更に発展させる形でメロドラマ化した作品。
フランスの街並を巨大セットで再現し迫力ある革命の戦闘場面を織り込んで描く、姉妹の小さな物語。
市街戦には千人単位のエキストラが動員されているが、それ以上にみせる演出は『国民の創生』で既に確立されている。
フランスの巨大セットの系譜といえば、R・バリモアの『我も若し王者なりせば』へと受け継がれ、『嵐の三色旗』にいたる。
そのどれも超大作の風格があるが、特に『嵐の孤児』はメロドラマの部分にも優れ、ラストの名高い救出と共に忘れがたい。
あわやギロチン刑に掛けられそうになるL・ギッシュのグローズアップは、殆ど倒錯趣味の権化と化している。この顔見たさにD・W・グリフィスはこの超大作を撮り上げようと思ったとしか考えられない。この行き過ぎた趣味を我々は映画史上でも類の無いものとして歓迎するだろう。

 

散り行く花 (トールケース) [DVD]
 純真無垢な青年と、可憐で哀れな少女との、短く儚い恋物語。この二人以外の大人たちはいかにも極悪人なツラで、実際、極悪な事をしでかすし、こういう単純明快な構図というのは、却って戸惑ってしまう。ただ一つ、リリアン・ギッシュの存在感がこの映画を、生きた芸術作品として保持し続けている。僕としては、彼女はそれほど飛び抜けて美人だとも愛らしいとも思えなかったけど、何か風がひと吹きしただけでも飛ばされてしまいそうなか弱さが滲み出していて、その繊細な演技には感心しました。まるで天野喜孝が絵に描いたような少女像。他の役者が、典型的な役どころを、類型的に演じていたのに対して、殆どリリアン・ギッシュただ一人が、本物の感情をフィルムに焼き付けていたように感じました。

 中国人青年を演じたリチャード・バーセルメスは、野蛮で攻撃的な異国の空気に馴染めない東洋人の風情を巧く醸し出してはいるんだけど、その容姿はどう見ても西欧人にしか見えない。でも、その辺はあんまり関係ないのかも。この映画での中国、或いは東洋、仏教は、たぶん、天国だとか、平和な安らぎに満ちた場所といった、少女が夢見る世界の象徴なんでしょう。
 『國民の創生』ではKKKを英雄のように描いたグリフィスだけど、その後『イントレランス(不寛容)』、その次にこの作品。キリスト教や西欧文明について、彼なりに何か思う所があったんでしょうか。

 因みに、この映画の原作は、トマス・バークの小説『The Chink and the Child(シナ人と子供)』。これは、エラリー・クイーン編集によるアンソロジー『クイーンの定員2』にも収められています。エラリー・クイーンによると、「真の意味での探偵小説味は無いが、巧妙な殺人物語」との事。グリフィスによる脚色では、そうした要素は削られて、よりロマンス色が強調されています。

 

散り行く花 動画


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散り行く花 情報


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