世界屈指のコロラトゥーラ・ソプラノ、スミ・ジョーが有名無名とりまぜてフランス・オペラからのアリアを歌う。彼女の名前はよく聞くが、私が実際に歌声を耳にしたのはそう昔のことではない(実は1ケ月前・・・笑)。しかしそれ以来、ジョーの魅力にはまってしまった。彼女の明るい声は色に例えればオレンジが黄色、ちょうどこのアルバムのジャケットのような印象。 彼女の丁寧な歌唱は、喜びや悲しみをよく表現しきれている。秀逸なのは「ハムレット」の狂乱の場のアリア。ハイEの美しさは驚異だ。フランス語の発音はパーフェクトというわけにはいかないが(cf. サザランド)、東洋人にしてはなかなかのもの。シャルパンティエの「ルイーズ」からのアリアは、中丸三千繪もレパートリーにしているので、聞き比べられたし。
この脚本のためにこの演出、この演出のためにこの作画、
という感じで、アニメーションという媒体の成せることを
最大限に引き出したように思います。
アニメならばアニメにしかできぬことをやるべき、
日本ならば日本でしかできぬことをやったほうが有利、
そんな監督のこだわり、意図が作り方の中に垣間見えます。
この調子でずっと?と、途中でやや中だるみはするものの
最後の最後はやはり見事に物語が結び、平沢進の名曲を背景にした
エンディングは、非常に感動いたしました。
さて、あのダン・ローズの短編集である。七つの話がおさめられている。愛の狂気と副題にあるから、それなりのつもりで読んだが、こりゃだいぶヒネクレています。すべての話が主人公の思惑通りにいかないところがおもしろい。この短編集に出てくる男たちは、愛に盲目的であまりにも従順。そして翻弄する女たちは普通じゃないときてる。表題作の「コンスエラ」なんか男にとっちゃ悪夢みたいな話だ。愛を試す方法としてコンスエラがとった方法は現実離れしていておぞましい。しかし、これがかなり読ませる。おもしろすぎだ。一番気に入ったのが「ヴィオロンチェロ」。洗練されてて、ちょっと切ない。まるっきりのファンタジーなのだが美しい。厳しさとユーモアが合わさった絶妙の匙加減をぜひ味わって下さい。
地味な歌ばかり歌っているカウンターテナーのフィリップ君ですが、これは英雄たちのアリアということで、輝かんばかりに華々しいアリアのオンパレード!こんなアルバム待ってました!フィリップ君の歌声は、、まさしく声のストラデヴァリ!この身長、この体格、この声帯、すべての偶然が重なって,みずみずしく、清涼で、繊細で、極上のシルクのようなこの歌声が生まれるのでしょう!歌声には「もののあわれ」があり、それでいて母音の逃がし方がなんともいえず温かく、お母さんの子守唄のような温もりがあるのです。ファルセットとはとても思えません。極めて自然な歌声です。今回は内ジャケも開けてびっくり!毛並みのよい、いかにも上品なお育ちのフィリップ君の写真がたっぷり。ルックスもいいもんネ。次はヘンデルのヒーローズを期待します!
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