Senore Matze Rossi In Armen
Khachaturian / Ippolitov |
まず、アンサンブルをきれいにそろえようという意識が、まったく見られません。1曲目の《剣の舞》からして、オイオイずれてるじゃん、という突っ込みを入れたくなるのですが、その推進力、迫力は前代未聞。《クルドの踊り》は、はじけすぎた感がありますが、《レスギンカ舞曲》はお見事!打楽器の打ち込みが一回多かろうがなんだろうが、お構いなし。これぞ野生の踊りです。《スパルタクス》も《仮面舞踏会》も、そして《コーカサスの風景》もおんなじ調子。 難しいことは言わず、パーッと楽しみましょう。 |
Principles of Pharmacology: The Pathophysiologic Basis of Drug Therapy |
「よい研究のあるところ、よい教育あり。」といわれています。ハーバード大学医学部学生やMD-PhD学生がエンジンとなり、同大の生化学・分子薬理学教室と臨床系の教員がかじをとり、まとめ上げた若々しい教科書ができました。 同大学医・歯学部の薬理学の講義で用いられている558枚のプリント図表が2色刷りで示されています。これらのイラストの多くは薬理学と他分野の定評のある図の上に薬物ターゲットを明示して、分子作用機序から治療戦略までを明らかにしたものです。オリジナルの図を論文などで見知っている教員でも、専門以外の分野を講義することになっている教員の方々も、本書により眼を見開かれる思いをされるのでは。 重要な基本概念はイラストだけではなかなか理解しえないことは、誰もが一度は感じるところではないでしょうか。薬理学の基本概念・内容が生きている臨床現場モデルを個々人の脳の中に構築することが、医療人ならば入門からプロへの越えなければならない段階として存在します。生理学、生化学、病態生理学、臨床に基づいた、薬理学が活躍する統一性、合理性をもった概念・イメージ形成が必要です。本書には章のはじめにその章の内容を描写した症例と設問とが掲げられ、学ぶ目標がよく理解できるように工夫されています。 章立ては極めて正統的で、機能別・系統別コア・カリキュラムsystem-based curriculumにそっています。薬物開発(創薬)、薬物デリバリー、薬理ゲノミクスを最後に置いた点も薬理学のトレンドを見すえた優れた構成です。すっきりとした文章により薬物を薬物群として理解することは、概念的な理解・記憶に役立ちます。紹介された専門書や総説はさらに発展的学習を刺激してくれます。各論の章末には薬物群、個別薬、臨床使用、副作用、薬物相互作用・禁忌、備考を表にしてまとめてあり、3段レベルに構築された索引と合わせて、試験直前の記憶の整理や忙しい臨床の場でのチェックに有用です。 Goodman & GilmanやKatzungが教師のタネ本であることは有名ですが、なにぶんにも大著です。本文約800ページで、折に触れ知識を確かめるために眺めてもよく、学生が読める、読みきれる量の正統で最新の教科書ができたことを心から喜び、皆さんにもお勧めしたいと考えています。 |
病態生理に基づく臨床薬理学―ハーバード大学テキスト |
ハーバード大学医学部の学生が教授の指導を受けながら作った若々しい教科書です。学生の視点から描かれており、まず症例提示から薬剤の意義を学ぶという構成はこれまでにないものと思います。残念ながら、原著には時々初歩的な間違いや日本の実態にそぐわないものが見受けられましたが、訳者の先生方が丁寧に修正やコメントを加えて頂いており、医学生にも高い評価を頂いています。 |
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