この本は映画を観た人にも自信をもってオススメできる作品です。
普通映画のノベライズは映画より質が落ちるものですが、これは小説として再構築された別物であり、「一人だけの軍隊」の真の続編だと言えます。
ポイントは、初代ランボーの原作である小説「一人だけの軍隊」の作者、デイヴィッド・マレルが「怒りの脱出」の脚本をもとに大胆に脚色し、新しい小説にしていることです。
デイヴィッドは「一人だけの軍隊」で殺したはずのランボーを映画の内容に合わせて甦らせ、「怒りの脱出」を自分のものにして自由に世界を広げています。
このノベライズの機会を利用し、前作で描けなかったランボーの過去や内面、独自の演出など、映画と違う自分の小説を作り出しています。
これは完全にデイヴィッドの小説であり、「ランボー2」ではなく「続・一人だけの軍隊」と呼ぶほうがふさわしい。
知らない人はこれが映画の原作だといっても信じるのではないでしょうか。
まさにもっと評価されるべき小説の新しいスタイルだと思います。
この頃のスタローンは最強だった。本作も北米だけで1億5000万ドルを稼ぎ出し、ラジー賞候補も何のその。公開後四半世紀が経っても、その魅力は全く衰えることがない。政治的といえばそうなのかもしれないが、この2作目はランボーのホレボレするくらいのカッコ良さを大人数で観るのが正しい観賞法だ(笑)。ボディバッグの山であるが、陰湿な作りではないので、ポップコーンムーヴィーとしても最適である。それにしてもこの高精細な絵はどうだろう。今までのビデオ、LD、DVDは何だったのか(笑)。夜間シーンもクッキリ見えるし、知らない人が観たら劇場最新作と間違えてもおかしくないほどだ。音も第1作目に比べると格段に良くなったし、やっぱり「ファンならばとにかく購入して!」という仕上がりだ。今思えば、この「脚本:スタローン&J・キャメロン」というのも凄いなあ・・・。ジムは初稿を書いたので、ベトナムに囚われている捕虜救出、という点は生きているが、あとはスライの手によるところが多いだろう。手に汗握る、という言葉があるが、本作はまさに見せ場の連続であり、あっという間の90分だ。メイキングでレーガン政権時代の代表と語られているが、ヘンにドキュメンタリーぽくないのが人気の秘密ではないか。ある意味荒唐無稽だからね(笑)。星は文句なく5つです。
この映画は娯楽映画なので、スカッとしますね。
特に後半の戦闘シーンはもう・・・最高!!!
次々にベトナムの基地を破壊していくところと、
ヘリコプターの一対一の対決もみどころです。
そして一番よかった場面はランボー帰還後、
お偉いさん(一番の敵)に向かって銃を乱射して脅したところですね。
あそこが一番スカッとしますよ!
ロッキーの最終作を見た時、「まぎれもなくこれはロッキーの最終作だった」
と納得できる仕上がりでした。続くランボー最終作にも当然その流れを期待
したのです。要はシリーズ2、3のような戦場の英雄ジョン・ランボーの
肉体派アクション娯楽活劇だとばかり思っていたのですが、どうやら毛色が
違う様子。戦場における善悪、英雄譚というスタンスを極力廃した、戦場の
悲惨を強烈な映像で訴えかける作品でした。
反戦。すぐに浮かんだテーマはそれで、同時に一作目のランボーを思い出し
ました。時局による表現の相違。そういうこともあるかもしれませんが、私
が感じたのは反戦というテーマへの原点回帰だったのではないかと思います。
先述ののロッキーの感想に戻りますが、かの作品も初作への原点回帰だった
からこそ、その印象に至ったような気がします。
一作目のジョン・ランボーが最後に大佐に訴えかけた苦しみは、最終作で
映像として表現され、説得力を増したような気がしています。本作の最後、
ランボーが何も語らず沈黙しているのを見て、つまりそういうことなのかな
と私は思いました。ロッキー最終作と共に、単体作品というよりシリーズに
厚みをもたらす納得の最終作であったと私は思います。
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