かつて藤森照信、赤瀬川原平らで「路上観察学会」を結成したのだが、彼らの今までに集めてきた学説(?)をダイジェストにまとめたのがこの本である。
流石に路上観察を世間に広めた彼らだけあって、素人でもなかなか楽しめる内容となっている。しかし彼らも路上観察の祖と言われる今和次郎(こん・わじろう)だけは尊敬しているらしい。
ちなみに今は亡き杉浦日向子の江戸の風俗についての執筆もあるから貴重である。
また、それぞれの執筆陣に興味を持ったら、それぞれの執筆陣が出している単行本を読んでみるのも良いだろう。
愚生も高校時代に読んだ赤瀬川原平の本がきっかけで路上観察のディープな世界に引き込まれてゆき、名古屋の美術館で赤瀬川原平展が開かれるとつい見に行ったりしたものだが、自動車免許を取得してからは、路上観察のスローでマイペースな世界とは正反対の、クルマとスピードの快感を手に入れた今となってはその余裕すら無くなってしまった。しかし、いずれは戻ってみたい世界である。
こんな「雑談のおもしろい大人の男性」になれたらいいなと
黄昏れながらいつも氏のお仕事を拝見しています。
堅苦しくなり勝ちな利休について、赤瀬川原平さんの軽妙な語り口で、身近な出来事や世界を例に挙げて分かりやすく書いています。秀吉の逆鱗にふれ切腹するまでを彼独自の解釈に導かれ読み進んでゆくうちに、昔赤瀬川さんが前衛芸術家であったこと、前衛とは、そして何故「千利休無言の前衛」というタイトルにいたったのかが良く分かります。最終部分の理論の展開には鳥肌が立ちました。すばらしい作品です。洞察力と視点に天才を感じます。
この本は、今までに知らなかった白洲正子さんに出会えます。 特に、娘さん(牧山桂子さん)が書いた部分が最高に面白い。 何が面白いかというと、家族だけが知り得る白洲さんのエピソードが満載だからです。 白洲さん本人や、知人友人が書いた文章では読めない、 面白い話が沢山で、 「えっ、こんな人だったの?」「こんな夫婦だったの?」 と笑えること請け合いです。 写真が沢山載っているのも、見応えがあっていいです。
数年前には「老人力」という本が大ベストセラーになった赤瀬川原平だが、その原点はこの「トマソン」を中心とした路上観察の世界だ。
かつてせっかく日本に呼ばれてきたものの、実力を十分に発揮出来なかった巨人の「トマソン」選手の名から命名したのは言い得て妙といったところか…。しかし、この彼(赤瀬川原平)の独特の世界というのは何と言ってよいのか、一度味わったらやめられないものがある。かく言う愚生も彼の世界観にハマッてからは、名古屋にまで「赤瀬川原平展」を見に行ってしまった。
多分同じような知的好奇心をお持ちの方はこのようにハマッてしまうだろう。
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