小学生のとき、リアルタイムで見た東映動画である。
船橋の映画館だった。
この当時、東宝の怪獣映画ではなく、なぜかアニメのほうを見ていた。
「わんぱく王子〜」、「ピノキオ〜」、そして本作である。
他の東映アニメたち、「白蛇伝」、「安寿と〜」、「シンドバット〜」、「西遊記」、「少年猿飛〜」は、いずれもNETテレビ(現テレビ朝日)の東映アワーで見た。
本作は、ひとことでいえば動物ものである。
トラが悪役であり、主人公の犬に仲間が集まってきて、集団で悪役と対戦するところ、冬で雪が降っているところが「忠臣蔵」をモチーフにしたあたりである。
もちろん、人間もちゃんと登場するが、何と言っても本作は動物、しかも名前がロックである。
手塚治虫が関わっているからといって、これはちょっとかも。
まあ、悪役じゃないから、良いか。
犬とトラの会話が、平気で成立している。
現実にはありえないことだが、そこはマンガ、何でもありなのだ。
ロックが悪役として凛とした姿を見せるのは、このもう少しあとの「バンパイヤ」である。
さて、本作の評価である。
ストーリーは、スリルもありユーモアもあり、勧善懲悪のカタルシスもあって、申し分ない。
ただ、アニメの完成度としては、「わんぱく王子〜」や「白蛇伝」のほうが、ずっと上である。
それは、キャラクターのデザインや構図だけではない。
アニメにとって最も大切な動きの滑らかさが、以前の作品より良くない。
理由はいろいろとあるのだろうが、そこだけは残念なところである。
硬質でサイバーな世界と、無重力圏での人体解体など鮮やかなグロテスクに酔わされる。世界観がたいへん美しい。物理化学など理屈っぽくて理系心をくすぐられる一冊。
全体的な雰囲気は遺跡シリーズそのもの。
短編の舞台としてはよいと思うのだが、長編でこれをやられるのはちょっとつらい。
とにかく暗いのだ。
内容も、設定は壮大なのだが、結局最終章までちまちまとした話が続く。
最終章は思わぬ壮大な展開が待っているが、期待していたほどの謎解きは無い。
堀晃に限らず、「巨大な謎の物体」を扱ったSFはこういう展開が多いけど、
ホーガンのようなカタルシスはありません。あの堀晃の初の長編だ! と期待して
読むとがっかりしてしまうと思います。
村石雅行のライブで初めて彼の演奏を聴いてすぐに気に入った。タイトなリズムの上に
哀愁のあるクロマチック・ハープのメロディは理想的な感じがした。ノートを見ると
彼はキーボードの他、ベースまでも演奏する才人のようだ。なるほどだからこのような
素晴らしいアレンジが生まれるのだ。初めて聴いたS・ワンダーの「I Can’t Help It」が特にいい。
若干ワンパターンの傾向がありますが、なかなか読ませてくれる作品がそろっています。
遺跡を調査して回る主人公の旅を連作短編の形式で描いていますが、さまざまな異世界を描く描写は豊かなイメージを提供してくれますが、その感触はあくまでモノトーン。主人公とその相棒となる結晶生命体の会話はありますが、極めて淡々としており、派手さはまったくありません。
各話ともコアとなる謎が用意されており、その謎が明らかになる過程が、淡々と語られていきます
絵でいえば、水墨画のような味わいを示してくれる作品ですが、たまにはこういった作品も面白く読めました。
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