色々と考えることがあり、昔なくしたバイクの免許を再度取得しようとしていた矢先に本書に出会いました。
内容はバイクを通し訴えかける著者の人生哲学と、若干のツーリング紀行文、ワンポイントメモです。
ツーリング紀行文、ワンポイントメモとしての観点であれば、他にもっと優れたものがありそうですが、バイクのキーワードである、危険性、一体感(操縦性)、肌感覚等を自己責任、日常や精神の開放と説明する発想には大いに共感を得ました。
家族には愛情をそそぎつつ、会社では責任のある仕事を全うしている。現状に満足しつつも心の奥で少し違和感を感じ始めた人にお勧めです。
少しの違和感、これこそ曲者です。一度心のオーバホールをしてみるのもいいかもしれません。私もバイクとテントを買ってしまいました。自分という基点を見直すために・・・。
ダブルエックスのストーリーはまぁこんなモノと言った感ですが、
嶋村かおりはクールでキレイです。いわゆる美人です。
ヌードもいいです。
最初に読んだ花村萬月の原作が魅力的だったので映像化されたものが見たくなりDVDを購入したのだが、良い意味で期待を裏切る出来のよさに驚かされた。特に、アキラ役の北村一輝がこれ以上ないほど役にハマっていて、原作が北村をイメージして書かれたのではないかと思われるほどアキラのもつ粗暴さと繊細さ、軽妙さを鮮やかに体現し、見るものを引きつけずにはおかない魅力を放っている。また、アキラと失踪する姉沙夜子との関係については、原作と違うショッキングなオチが用意されているのだが、しかしこのオチの一言のセリフでそれまでのアキラの行動原理がすべて納得でき、これによって原作の雰囲気を全く損なうことなく原作の切なさを醸成し、漂わせることに成功している。エンディングの山崎ハコの歌と映像のコンビネーションも絶妙で、映画が原作を凌賀した、希有な名作。
花村氏は本作で芥川賞を受賞した。
十年以上前、芥川賞受賞時の文芸春秋で読んだ。同時受賞は藤沢周の『ブエノスアイレス午前零時』(なぜに『ブエノスアイレス摂氏零度』とそっくり・・・?)。
個人的には、花村氏の書く物は好きではないが、この作品は別格である。
主人公は犯罪者で教会に逃げ込み、そこでも涜神的な行為にふけるという悪漢小説仕立てなのだが、暴力描写やラストシーン近くの妊娠した豚を殺し豚の胎児を火の中に放り込む黙々と赤羽神父の描写などがあまりにも強烈である。それ以来の10年間にわたってこれほど強烈な印象を残す芥川賞受賞作は出ていない。
続編にも目を通そうとしたが、この第一話ほどの凄みは無いのでやめた。一応、この一作で完結している(芥川受賞時に、選考委員の石原慎太郎だったかが完結物として読んだのにシリーズ物かよ、と文句を言っていた)ので、シリーズ物はハードルが高いと思わず、まずはこの一巻から読んでみることをお薦めする。
萬月さんの初期の作品で元気いいですね。アウトローの世界を通して人間 の本質を描かせたらこの人にかなう人はいないでしょう。満月さんの作品は どれもよく流れていてスラスラ読めます。しかし、深い。そんな特徴がよく あらわれている傑作だと思います。
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