フランスの木管アンサンブル集団「レ・ヴァン・フランセ」の結成10周年記念盤としての2枚組。題名にはベストの文字があるが収め られたものは全て新録で、一般に言うベスト盤とは趣が異なる。
帯の文句に「ポピュラー」という表現があるが、木管五重奏という編成による演奏に触れること自体、私を含めた一般人には余り無い ものに思われる。本盤は木管五重奏編成の演奏にどっぷり浸かれるだけでなく、耳にすることの少ない近現代の作曲家による管楽 作品を多数収めている。
管楽器独特の乾いた音色はフランス音楽の洒脱な響きに似合うことを漠然と感じていたが、本盤に収められたフランスの管楽作品 群を聴きそれが確信に変わった。エスプリに満ちた彼らの演奏はじめじめとせず適度に乾いた爽やかな風を耳に運んでくる。
「レ・ヴァン・フランセ」はフランス人を中心とする集団だが、構成するメンバー各人が国際的コンクールにて優勝又は上位入賞経験 を持ち、著名なオーケストラで主席奏者を務める精鋭達。その彼らが10周年に至るまで録音の機が熟すのを待ち僅か5日間で集中 して録り上げた演奏は、10年のアンサンブル経歴の中で楽曲がすっかり馴染んだ感のある快演揃いだ。
作品は2枚構成で、各々がテーマ性を持つ。1枚目は「フランスの管楽作品」。19〜20世紀にかけ活躍した仏作曲家達の作品を5つ収 録。聴く前はやや取っ付きにくいプログラムかと思いきや、冒頭ジャック・イベール「3つの小品」による余りにチャーミングで人懐こい響 きにすっかり魅了されてしまう。ここに収められた作品は作曲家達の生きた時代に比し前衛の匂いは少なく、表現の斬新さよりも管楽 器独特の温かい響きを活かすことを重視した楽曲は、ひたすら耳に優しく美しい。
2枚目は「20世紀の管楽作品」。フランス以外の国籍による20世紀の作曲家による作品5つを収録。こちらは若干1枚目より響きの複 雑さはあるものの、やはり管楽器という音色の特性を重視した美しさを感じさせるものが多い。特にお勧めしたいのがバーバー「夏の音 楽」、神秘的で美しい響きを持つ楽器間の掛け合いの中に流れる静かな緊張が堪らない。他にも硬質な響きの不協和音や民族音楽に 感化された不思議な音階に師であるバルトークの影響が伺えるヴェレシュのソナチネも面白く聴いた。
実際聴くとプログラムの見た目以上に親しみ易い音楽。管楽器の音色が涼しい風を運ぶ本盤はこれからの季節良いBGMともなりそうだ。
バティアシビリのバイオリンが聴きたかったので、買ったのに、オーボエばかりで 期待外れだった。また、ハイブリットCDのため、プレーヤーとの相性が悪く、聴けない ので、CD-Rにコピーをとっての拝聴となった。演奏自体は悪いとは思わないが、私の 望みはバティアシビリのバイオリンなので、残念だった。
マリゴーM2を愛用する、今最も注目される若手オーボエ奏者・ルルーの顔写真の多さが少し気になるところですが、美しいイントロも、オーケストラの木管パートとのアンサンブルが素晴らしく、R・シュトラウス好きな方ならぜひ一枚と言いたいところです。13管の演奏も、聴きあきず、心が喜ぶ素晴らしい内容に仕上がっていると思います。
諏訪内さんの解釈と演奏力が、堅苦しい?はずのバッハを優しく、おだやかに聞かせてくれるような演奏。できるかぎり精緻な演奏装置で聞いてみてほしい作品。
そのほうが、弦のきらびやかさまで、しっかりと聞こえるものと思うから。
渾然一体の中から、ソリストと伴奏者の掛け合いを、息をのんで見守ることができる演奏。
余韻まで楽しめるバッハ。眠くならないバッハ。すばらしい。
クリヴィヌは凄い! 皆さんご存知の、世評高い彼のベスト盤がこれです。 何と言う静粛ないい雰囲気でしょうか? 1894年版を使わず、通常の大管弦楽版でも、こういった透明で厳粛な演奏が可能なことを示した意味でも、このCDは価値が大きい。 テンポも自然で、スッキリ。祈りの気持ちも十分あり、ヤルヴィ盤など足下にも及ばない。 合唱団がまた、最高なのです。静かな透明感。心を謙虚にして歌っているかのような・・ 20年前にまだこんな演奏が可能だったのですねぇ・・ 今回のBlue-specCDは、本当にいいですよ!古いアナログ録音のゴールウェイの協奏曲なども、本当に切れ味のあるモヤのとれたスッキリとした音になっています。 合唱で音が割れるなんて、全く過去の話ですね。 ラシーヌ賛歌も、レクイエムの続きのように厳かで、謙虚。 マスクとベルがマスクも、速いテンポナがとても気持ち良く、すっきりとこの曲の本来の軽妙な優しさが出ていて、これは新しい解釈として革新的。 リヨン管は、本当にフランスらしい、いいオケですね!
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