90年代のベストです、正確には80年代末からになりますが、ポリドールから発売されている2枚組のベストとあわせるとエリックの全業績をCD3枚で概観できますから、初心者にはとても便利なCDですし、長いファンにも濃い内容から推薦できます。
ほとんど持っている僕としてはこの企画物をどう評価していいかということが命題となるわけですが、「I Feel Free」で始まっていることにすっごくいい印象を持ってしまう。初めて当時のミュージック・ライフという雑誌で写真を見たときのクリームの印象は、今の評価を思い図ることも出来るわけがなく「いったいこいつらは何もんなんや」と所謂キワモノグループのジャンルに入れかねない一種異様な雰囲気を持っておりました。そのとき聞いたのがこの「I Feel Free」で、スゴイっと思ったらさすがという感じですが、残念ながらその時は「これはヒットせえへんわ」というすっごく短絡的な感想を持ったように記憶しとります。思えば当時から40年です。僕のような当初理解できなかったリスナーを次から次へととりこにして巻き返して来た歴史ですね。 評価は個別的には星5つ、今更こんな企画が必要なのかという懐疑心がわくのでひとつ減点。
ブッカー・アービン (Booker Telleferro Ervin II 1930年10月31日〜1970年7月31日) は、アメリカ合衆国テキサス州デニソン生まれのジャズ・テナーサックス奏者。タフなブルース、ゴスペル色が濃く南部の香りもする独特な音色が特徴といえる。アルバムは1960年ベツレヘム・レーベルの録音で醍醐味はテナーのズート・シムズの二管に、スタンリー・タレンタインの弟でトランペットのトミー・タレンタインが絡む。ピアノのトミー・フラナガン、ベースのジョージ・タッカー、ドラマーのダニー・リッチモンドという顔合わせが何とも貴重といえる。ダニー・リッチモンドはミンガス・ワークショップのドラマーだったのでブッカー・アービンも同門という事になる。 (青木高見)
スィングは非常に楽しい音楽。そして、ランバート・ヘンドリックス&ロスはそれに加えてヴォーカリーズの匠をこれでもかとばかりに聴かせてくれる職人たち。かといって、押し付けがましいわけでなく、スィングを最大限に引き立ててくれる。このアルバムはそんな彼らの匠がちりばめられ、聴くものに至極のひと時を与えてくれる。
Jon Eardley といえばZoot Sims のデュクレテトムソン盤が即座に思い浮かぶが、本作はタイトルどおりセプテット編成で、Zoot Simsも参加している。 録音も56年1月末ということで同時期の作品である。 Jon Eardleyは中音域を美しく奏でるタイプで、MulliganがChetの後釜にしたのも頷ずける。 セプテットならではの分厚いアンサンブルが楽しい 4. 各メンバーの比較的長いソロが聞ける 5.あたりがお薦めか。 「Zootがいなければ、ただのゴミ盤」の評価もあるらしいが Jon Eardley、Phill Woodsも実に素晴らしい演奏を聞かせてくれる。
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