船戸与一の作品はどれも面白い。中でも私が興奮して読んだのがこの「猛き箱舟」である。冒頭、いきなり緊迫したシーンに始まり、徐々に過去が語られていく。舞台は日本からアフリカへ、そしてまた日本へと、男が成長していくさまが描かれる。最後は男の執念の凄まじさに身が震える思いであった。 まだ読んでない人、絶対のオススメ本です。
800ページ強の長編が、集英社文庫から復刊した。“東南アジア5部作”の第2弾にあたる。 舞台は2001年のカンボジア。1か月の休暇を取って楢本辰次は、旧友・越路修介を捜すためにこの地を訪れた。人身売買、汚職と腐敗に満ちたこの地に。 本作品では、元クメール・ルージュでいまはカンボジア王国陸軍大尉のチア・サミン、謎の日本人の男たち3人を通して現代カンボジアの現実なる暗部の深淵を描いてゆく。『正義』を根本から問いかけた長篇冒険小説です これは面白く、読ませます!さすがの第22回日本冒険小説協会大賞受賞作。
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我が父も満州へ出兵、転戦、転戦でフィリピンで戦死。父の残した満州の写真を見つつ著者の筆力に引き込まれる。
著者・船戸さんも時々訪れる、とある荻窪の『居酒屋・女将』から推奨され、本作品1〜4巻までを読んだ。40年以上船戸さんを知る『女将』が、初めて褒めた作品だそうである。
嘗て、ゴルゴ13の脚本なども手掛けた著者は、男の好奇心を擽る『フィクションの世界』を描かれた。しかし本作は、日本人であれば小学生でも知りうる『ノンフィクションの世界・満州』に『フィクションの世界』をコラージュ(糊付け)したものである。しかも、『ノンフィクション:満州国の歴史に名を刻んだ人物』は、作品中、台詞を発しない。ストーリーを創るのは、コラージュされた『ノンフィクション:敷島4兄弟およびそれを取り巻く人々』である。多くの歴史小説が、『史実の人物』に語らせるなかで、本作は、『フィクション』をコラージュし、『フィクションの人物』が語ることで、『史実』を躍動させる。この構成が何より面白い!
『国民』が存在しなかった『満州国』という『国家』が、何故、存在しえるのか。官僚・馬賊・軍人・アナーキストという立場を異にする、敷島4兄弟が、『満州国』を巡って、『追従』『無関心』『肯定』『否定』という4機軸でストーリーを展開する。それは、肯定・否定・昇華という弁証法的アプローチで『満州国』を描き、読者に『満州国』の存在感をよりリアルに感じさせる。
さて、本作品はまだまだ続く。異なる4機軸・敷島4兄弟が『風車』のように回転しながら、『ノンフィクション』の世界を駈け巡る。この『風車』の中心は何か。それは、今後の作品進行のなかで明らかにされるであろう。肯定・否定を繰り返す中で、『昇華』される『真理』は何か。新鮮なテーストの歴史小説を発見した喜びに、私は浸っている。
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