孤高のダーク・メタルバンドである彼らの作品の中でも、名盤との誉れ高い4thアルバム。
よりテクニカルに、よりメロディアスに進化したNEVERMORE流メタルは、このアルバムで一気に知名度を高めた。(まだまだマニアックだけど・・・><)
格別速いわけでも、デスヴォイスなわけでも無いが、そこいらのデス・メタルバンドが裸足で逃げ出すブルータリティを備えているのが、彼らのサウンドの特徴。
ウォーレル・デインの個性的なヴォーカルと、ジェフ・ルーミスのテクニカルギター、そこにジム・シェパード(b)とヴァン・ウィリアムス(dr)の硬質なリズム隊が加わることで生まれるサウンドは、鋼のアグレッションと呪術のような怪しい魅力に満ち溢れている。
あまりにも特徴的なサウンドゆえ、メロディアスであるものの即効性に欠けるのが彼らの人気が日本で出ない理由かもしれないが、ヨーロッパでは絶大な人気を誇っており、彼らをリスペクトするバンドも数多く存在する。デス・メタル系、ブラック・メタル系のビッグ・ネームも「NEVERMOREこそ真のメタルバンド」と賞賛を贈る。
前述のように即効性は薄いが、聴きこんで理解できるようになってきた時にもたらされる独特の感覚は、プログレ系を理解できた時とはまた違う昂揚感をもたらしてくれるはずだ。
個人的なキラー・チューンはメロディックにブルータルにうねるリフが美味な#7“Engines Of Hate”、メランコリックな叙情イントロから一変、NEVERMORE印のブルータル・チューンが炸裂するタイトル・チューン#11“Dead Heart,In A Dead World”あたりだが、どの曲も一様にハイ・クオリティであり、捨て曲は見当たらない。
ちなみに削岩機の如く疾走する#8“Sound Of Silence”は、かのサイモン&ガーファンクルの名曲のカヴァー。強烈(^^;
残念ながらNEVERMOREのメインソングライタージェフ・ルーミズの最終作となったアルバム。 NEVERMOREにしては聴きやすい曲が続く。まず1〜5曲目あたりの流れは最高!(特に5曲目はメタルヘッドなら必聴!これをラジオで流さないなんて、酒井どうにかしてるぜ!) これと「MANIFESTO OF NEVERMORE」を持っていたら、ほぼNEVERMOREの魅力は分かるのでないか? 私は輸入盤買った後、ボーナストラック聞きたさにTSUTAYAで日本盤をレンタルしました。 これでジェフとウォーレルのケミストリーが聴けなくなるのは残念!(しかし再結成SANCTUARYとジェフの新バンドに期待!) 名作「DEAD HEART,IN A DEAD WORLD」にも引けを取らない。 日米では過小評価されているバンドだったが、ヨーロッパで人気があったのも頷ける。 ぜひ、ジェフとウォーレルでまたやって欲しい。
楽曲、音質共にデビューアルバムとは思えない完成度です。アップテンポから疾走曲が多いのですが、走りっぱなし出なく1曲の中にも起伏がありキャッチーな唄メロが乗っかって飽きさせません。何曲かで出てくるバイオリンが疾走系のリフをバックに1音1音を伸びやかにつなげてゆったりと弾き、その音色と相まって退廃的な雰囲気を醸し出しています。また、そのバイオリンがゲスト的な扱いでなく非常に前面にでてくる録音でメインメロディを弾いていて、今までになかった感じ。コーラス・クワイアも結構入っていて荘厳さもだしています。次作も期待大です。
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