イエジー・スコリモフスキは、自分の名前を日本語表記で「家路」と書く(ホントです)。
前作『アンナと過ごした4日間』で17年の沈黙を破って監督復帰した時、世界のどの国よりも日本の観客がまっ先に作品を高く評価し、スコリモフスキは日本を「第2の故郷」と呼んでいるという。そんな思いも込められた「家路」なのだろうが、奇しくもこの最新作『エッセンシャル・キリング』のテーマにも通底するものがある。
物語は、極めてシンプル。米軍の捕虜となっていたアラブ人らしき男(ヴィンセント・ギャロ)が脱走し、ひたすら逃走する。ただそれだけだ。
男は、生存本能の塊になって、ただただ、走る走る走る走る走る!
一切の贅肉をそぎ落とした、こんなシンプルな映画があるだろうかと思うような作品である。
スコリモフスキがこの映画のアイディアに閃いたきっかけは、自宅の近くを自動車で走っていた時、凍った道でタイヤをスリップさせ、あわや崖から転落寸前になった体験からきている。その近くにはCIAの収容所があり、クラッシュした護送車から逃走する男の話を思いつき、自宅に帰ってから一気にシノプシスを書き上げたという。
この映画は、一種のアクション映画だが、スコリモフスキはこの手の映画にありがちな「英雄的な旅の観念を剥奪」し、「生存のため、戦うため、闘争と殺しのための本能について」の物語を語りたかったという。
ヴィンセント・ギャロが演じる主人公には、名前がない。そして一見するとアラブ人に見えるが、国籍も不明。劇中、主人公以外の登場人物(アメリカ兵や、彼が出会う一般人たち)は普通に会話をするが、主人公は一切しゃべらない。スコリモフスキ曰く「言葉を発すると瞬間に彼がどこの国の人間でどんな文化的背景を持っているかが容易に推測できてしまう。主人公はイスラムのテロリストではなく、イスラムに改宗したアメリカ人かもしれない。要するにどんな人間かわからないのだ」
タイトルの『Essential Killing』とは「必然的な殺人」と訳されるが、これは純粋な殺人行為、つまり善悪に照らし合わせたものでも、感情に左右されてのものでもなく、ただ生き残るための動物的本能の元に行われる殺人を意味している。
「原初的な生存行動において、あらゆる人間は捕食者と被食者になりうる」という主題を探究し、「観客には主人公と共に原初的な旅に参加してもらえれば最高に嬉しい」とスコリモフスキは語る。
劇中で、飢えたギャロが赤子に乳を与えようとしている母親に襲い掛かり、乳を吸うというもの凄いシーンがあるが、まさに生き残るための手段を選ばない、極限状態での行動。恐怖のあまり失神してしまう母親・・・鬼気迫る描写に震えるしかなかった。
スコリモフスキ映画には、つねに歪んだオブセッションがつきまとい、安易な解釈ができないラストを迎える作品が多いが、この映画は彼のフィルモグラフィーの中でも、最もシンプル・純粋な作品なのではないだろうか。そして彼が映画を通してつねに追及していたテーマは、理性を拒絶する、本能的な欲求についてだったのでは、と思い到る映画体験でもあった。
スコリモフスキは当初、ギャロに同業の監督として意見を聞きたくて脚本を渡したそうだが、2時間後に電話で「これは絶対作らなければならない。私が出演しなくてはならない映画だ。私は雪の多いバッファローの出身だから裸足で雪の上を走っても平気だ」と凄い売り込みようで、この役をやりたかったら髪の毛と髭を伸ばすように、とスコリモフスキが言うと、自分の毛が伸びた写真を毎月メールで送ってきたという。
まさに、ギャロが家路(イエジー)に猛突進。
前作『アンナ〜』から矢継ぎ早の新作発表で、ファンを喜ばせてくれたスコリモフスキだが、これからは画家としての仕事に専念して、映画を撮る予定はない、との事。
そんなこと言わないでほしい(泣)。
家路〜、カムバーック!!
この値段でこの性能あるのが驚きw
使っていて熱問題や騒音とか皆無です。
質感が心配でしたが、とても落ち着いていて高級感があります。
こういう質実剛健な製品が増えてくるといいですね。
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スティーブン・スビルバーグとマイケル・ベイが製作しているので、アクションシーンなどはすごく良いと思います。しかし、前作、前々作で最強の風格を見せつけていたメガトロンは、終盤まで出番なしというのが残念でした。(あと15秒位 オプティマスとセンチネルの戦いに介入するのが遅ければ、漁夫の利を得ていたろうに……) 最後に、こんな事を気にしているのは自分だけかもしれませんが、パッケージ裏でレノックスが大尉に格下げされているのも残念でした。
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