知的財産における考え方が、わかりやすいことばで書かれています。なぜこのような制度が必要なのか、問題点はどこにあるのかなど、知的財産の世界も試行錯誤を繰り返しているんだなあ、と初心者でも興味深くのぞき込むことができました。
リアル書店で見比べてこれが一番読みやすかったので選びました。
文字のサイズがちょうど良い。内容も必要十分。 赤文字印刷があり、付録の赤いシートで学生時代を思い出しながら勉強しました。 通読したのは2回です。 章ごとの小テストがわかりやすいですが、アウトプットが足りないとおもったので 過去問(過去4回分のもの)を解き、まちがった問題だけこの本でチェック。 結果一発合格です。
実質1週間(社会人なので通勤と土日)でいけます。他にもっと内容の濃いものも ありますが、3級そこまでいりません。この本&過去問だけ何回分かで大丈夫です。
1.特実意商の各法を一枚にまとめたフローチャートがまず載ってる。(後ろの方には審判・訴訟のフローチャートも載ってる)。法律のほぼ全てがわかりやすくまとまってるし、なおかつ主要な条文番号を記してる。勉強しながら補足したい事柄が出てきたらメモ書きして、オリジナルのフローチャートが作れる。大項目同士のつながりまでよーく理解できるから法律全体を俯瞰できる。さながらリンクマップとでもいうべきか。
2.法学書院のホームページに「Q&A集」と「本書の活用例」 (PDF形式)が載ってて、かなり使い込んだ後だったが全部に目を通した。Q&A集で疑問だった事がいくつか解決。本書の活用例はこんな勉強法もあるものか程度に見た。人によっては役立つのでは?
3.本書やQ&A集が強調してるとおり、法律の条文の趣旨、それと事柄の理由がコンパクトだけど漏れなく載ってる。予備校のレジメを復習するとき、条文集を片手にフローチャートで流れ、本編で趣旨を追いながら、必要なら青本をめくって理解と記憶に努めてる。これで勉強が軌道に乗ってるからこのまま続けたい。逐条解説だけど1条、2条、・・・なんてやり方はナンセンスだと考える。フローチャートが活きてる。
4.本編特許法が改正に対応してないので法改正の要点集でどこがどう変わるか、理解と記憶に努めてる。本編特許法が改正に対応してない反面、本書の法改正の要点集は改正前後の変更点をわかりやすく解説してる。だから本編特許法もどう変わるかだいたいわかる。わからなければ後回しのチェックを入れて先に進む。時間があるときに予備校の先生に質問して解決してる。青本を軸にした本だから先生に聞けば即教えてくれる。
フローチャートで全体をアバウトに理解→フローチャートに載ってる条文と本書の対応箇所で骨格を理解→法改正の要点集を勉強→本書の本編・青本・予備校レジメetcで詳しく勉強。 こんな流れで勉強してる。条文集はパテツクの四法対照集を使用。
5.本書のハイライトは、なかなか手が回らずに勉強をサボりがちなところをガッチリフォローしてるところだろう。雑則の章のような終盤の条文とか、特105条−105条の7の長くて条文を読んでもレジメでも結局わからないところ。特185条(実・商も)の適用条文、防護標章登録の章の準用・読み替え準用条文、国際商標登録出願(マドプロ2節)の読み替え準用・不準用条文は、該当条文にマークがある。ここのところをガッチリフォローしてるから直前期に短時間で確認できそう。
6.レビューを書いてるうちに自分なりの勉強法を確認できたしブラッシュアップできる気がする。論文演習で先生に言われたことの受け売りだけど、実際に手を動かして書かないと法律論文は書けるようにならない。書くことの大切さをひしひしと感じてる。もっと勉強に精進したい。本書に感謝。
著者は、日本弁理士会が主催する知財ビジネスアカデミーで知財コンサルティングの科目を担当されています。私(弁理士です)も同科目を受講したことがありますが、斬新な視点から目から鱗の分析や解釈をされ、その発想の豊かさに驚嘆しました。知的財産業界には、著者を信奉するビジネスマンや専門家(通称:妹尾信者)が多数います。
その先生が満を持して執筆されたとのことで、興味深く読ませていただきました。期待どおり斬新な切り口でビジネスと知財戦略のあり方を論じられていて、実務的に多くの参考となる考え方を吸収することができ、得にした気分になりました。
一方、本書では、専門的な知財制度の解説はあまり触れられていません。知財制度の解説書は、巷に溢れていますから、本書ではあえて割愛したのでしょう。それでも397ページのボリュームがあり、内容は盛りだくさんです。文章は平易で読みやすく、事例が豊富なため、知的財産の専門知識がなくても、興味をもって読み進めることができると思います。そういった意味では、一般のビジネスマンや経済・経営系の学生を読者層に設定して執筆されているようです。
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