デビューされてから10年以上経ちますが、今回初めての画集です。 主に大陸系の漫画、挿し絵が多いというのが一般的な認識の作者ですが、実はゲームやファンタジー、現代日本に至るまで、実に様々な物を描いています。(最近では某アメコミでも発表されています) そのどれにも共通しているのが、作者ならではの丸みと優美感のある人物像と、一枚絵としても十分なレイアウト美でしょう。 この画集はその集大成として、作者厳選の作品が一同に介しています。活動範囲が多岐に渡るため見逃していた作品も多く、ファンにとってはまさに必携、そうでない方も一見の価値アリです。
もともと中国物の物語は描写がざっくりとしていることが多い。 田中氏が好んで書く中国物もそれを踏襲しているようだ。 これは翻案であり氏のオリジナル作品ではないが、 やはりそのスタイルで描かれている。 最近くどい描写が目立つ栗本薫あたりが書いたら、 5冊でも足りないのではないか(笑) あまりのめり込んで読む類の話ではない。 どちらかというと歴史の流れを上から俯瞰している感じ。 だからといってつまらないわけではなく、 ひたすら読みやすく書くことに徹している作品。
お江戸が舞台の怪異+人情噺、割合ゾッとした感じの話が5編。どれもそこそこの長さで読ませます。原作を読んだのはもう相当前になるので(なにしろ単行本は出たのが12年前ですあやし―怪)すっかり忘れて楽しめました。 正直、同じ有名作家の小説の漫画化である「黒猫の三角」は私にはイマイチだったのですが、歴史ものはいいですね。和ものをもっと描いていただきたいです。
皇名月のイラストに、皇を含む田中芳樹、井上祐美子、狩野あざみ、赤坂好美の5人が、文章を付けた「日本選出の中国百帝図」。 田中氏の「反・三国志」的なスタンスが鼻につくー。「宣伝文書を持っていないが故にメジャーになれない作品・人物を愛す」みたいな態度ー。日本人にはおもしろくないから、日本では流通しなかったんだろ、ってツッコミたくなる。例えば(この本では出てないけど)岳飛が日本では今ひとつつっても、異民族に蹂躙された経験の無い日本人が、女真族に対抗すべく孤軍奮闘する岳飛を応援する中国人の気持ちを、真に理解できる訳ないやん、と思う訳で。三国志にしても、あれは判官贔屓的な要素を持つ劉備を徹底的に美化して描いた吉川英治の手腕があって初めて知識人階層以下の庶民にまで三国志が広まった訳で。悔しかったら「一人の英雄と一人の狂言回しとその他大勢」という訳し方しか出来なかった『岳飛伝』を、もう一回訳し直せ。まったく。 というアレはともかく。 (統一国家としての)晋以降の中国史を楽しむ方法ってないもんすかねぇ、と思わせる一冊。やっぱ、歴史ってのは人物なんだよねぇ。魅力的な人間がいて、それを追いかけたいという気持ちから、歴史に興味を持つんだよねぇ。
とある本の挿絵で一目惚れをしてから、皇なつきさんのファンになりました。 漫画も前々から買ってみようと思ってましたが、冊数が結構有るし、漫画だと絵よりもストーリー重視になるのでどうしようかな〜と悩んでいた所、この特装版を見つけて購入を決めました。
面白いです。絵は変わらず繊細かつ綺麗ですし、表情も柔らかくてうっとりします。 心配だった内容ですが、これまた杞憂に終わりました。
正直ラブストーリー物は苦手だったのにもかかわらず、何度も読み返してしまいます。一番好きなのは恋泉かな〜。 漫画としても充分面白いですし、画集と言ってしまっても過言ない位美しいと思います。 未読な方は買って損はしないかと。
ただ、落ち着いたお話メインなので、派手なバトルや意外性のある話が好きな人にはあまり向かないと思います。
しっかり創られた中国物が好きなので、こういう作品がもっと増えて欲しいです。 今回良かったので、他の本の購入も決めました。
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