菅野さんの歌は、ヘタなのをちっとも
怖じずに歌っている、生真面目さが
魅力です。
アイドル時代の作品より、このシングルには
そんな菅野さんの良いところが、
わかりやすく表現されていると思うのです。
一生懸命、なのにどこかおトボケ、
な、喋っていらっしゃる時とおんなじ
声のトーンが、曲とピッタリ合ってて、
エコーズにも辻さんにも興味の無い
ぼくでも、素直にいい曲だなあ、と
感動さえします!!
菅野さんは、このヒットに味しめて
歌手活動を続けたりしなかったとこが好きです。
品が良いというか育ちが良いというか、
これだけ長く活躍して、色んなウワサが
流れても、あくまで感じが良くて値打ちの
落ちない、
そんな菅野さんが大好きです。
アコースティックバージョンの収録が嬉しい!!
本編よりも、菅野さんの歌の魅力に
ひたれます。
愛して止まない兄が12歳で自殺をしてしまった妹の一生を描いた大作です。 泣き虫だった妹に、生前兄のいった、'超然’としていればいいのだと、言う言葉にしたがって生きる少女のけなげさから、駆け落ち、破局、結婚、出産、配偶者の死、母の出奔と、主人公の茉莉の人生は荒波のなかの小舟のようです。 でも一番物語が悲しみを持ったのは、兄が逝き、配偶者を失い、両親が逝き、娘も容赦ない勢いで巣立って行く中での寂しさよりも、若さも失い、自分が本当に一人になってしまったときの、茉莉の喪失感の中であったと思います。 この物語の中で、12歳で亡くなった茉莉の兄は、ずっと昔に亡くなってしまった兄という存在でなく,ずっとその声を茉莉が聞き続け、その度に、自分を取戻したり安堵したりする存在として重要な人物であり続けます。茉莉は、兄の、遠くにいくんだ、という言葉を聞き続けます。その意味も分からないまま。 一見、茉莉の若い時代の、駆け落ちや、パリでのモデルとしての暮らしのほうが、際立つ出来事のようなのですが、人生というのは、常に、流れ続け、大切な人が少しずつ、いなくなったしまうという繊細で、自分にとって重大なんだと感じ、ひどく感銘しました。
自分の人生と比べてみても、ドラマチックだったり華やかだったりする部分には人生にとって実はそれほど重大ではなくて、日々の当たり前の日常とどう対峙していって、人生をかさねるかという方がずっと重要な事なのかもしれないとわかってきました。
辻氏の、右岸を読んでいたので、呼応しあうものがもっとあるのかと思っていたのですが、両方の作品ともに、大事なところで繋がっているんだけれども、全く別々の流れを流れている。 時々の接点はあるけれど。
でも、それこそが、やがてはそれぞれの川の流れの独立しているところそのもので、人生の流れだけでなく、人との関わりも、流れる中でおこっていくのだと物語は伝えているようです。
茉莉は、やがて、一人になったときに、兄の、超然としていればいいんだという言葉の意味を改めて理解します。 それは子供の茉莉にも、中年になった茉莉にも、誰にとっても必要なことだったのかと思います。
最後に、茉莉が,兄の惣一郎のささやき、遠くにきたね、をききます。
遠くというコドバの本当の意味、考えずにはいられません。
はまる人は思いっきりはまると思います。静かな音ですけどほのかに暖かさと強さを
感じさせてくれる音楽です。
西島秀俊さんを最初に観たのが「あすなろ白書」。
正統派ルックスなのに、どこか影がある、何か含みがある(実際そういう意味深キャラを好演)オーラを
若き日から放ってましたが、本作ではもう、得意中の得意、十八番の域に達してたように思います。
アンニュイな表情も、死んだような眼差しも、ナイフを隠し持ったような危うさも、画面にじわりと
滲み出てくるようでした。
それでいて、杏子(中山美穂)との別離の後、むせび泣くシーンはまるで子供のよう。
光子(石田ゆり子)のカットインはもうあと10秒くらい遅らせて欲しかった、もう少し観ていたかったカナ。。。
25年後の見せ方は、個人的になにもあそこまでオープンにしなくても良かったかと。
手の甲のシワ、銀髪の後頭部、ミニでなく長めのタイトスカートが映る足元などなど、
時の流れを感じさせるパーツを繋げることでも、ストーリーを組み立てるのは可能だったのでは???
ただそうなると、ラストの豊が杏子をお姫様ダッコしてうんぬん……なシーンは、映像化が厳しくなるのかも???
ここら辺の印象をキープしたまま、感動のエンディングへと導かれるには、やはり原作が有利なのでしょうね。
に、しても、ミポリンすごく頑張られました。
「毎度おさわがせ〜」時代のような、ドキドキをふりまく女優さんであることに、今も変わりないことを
証明した作品ではないでしょうか。
昨年行われたライブのCD版です。 エコーズ時代からの長年のファンである私ですが、 このアルバムでの彼のサウンドは、初めて聴くような新鮮なものでした。 過去のバンドともソロともちがう音。 ひとことでいえばアコースティックなロックで、 ひとりきりでアコギを弾き、歌っています。 アドリブで歌う「Shining Starman」はポエトリー・リーディング風で辻さんの面目躍如といったところでなかなか面白い曲です。 ラストの「ありがとう」の詞は世界をまたにかけ活躍する彼の「今」が詰まっているようで、 このアルバムの最後にふさわしいものになっています。 小説家としての彼しか知らない若い世代の人にもぜひ薦めたい一枚です。
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