大いなる西部 [DVD]
ドンパチ西部劇とは一味も二味も違う大河西部ドラマである。
疾走する馬車のアップに、小気味良く壮大な主題歌が被さるタイトルバックから、ぐいぐいと引き込まれる。
グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンというミスマッチのような顔合わせ、
女優陣もジーン・シモンズにキャロル・ベーカーと ややミスマッチ気味で、
物語では四人の男女のミスマッチがお終いにめでたく解消されるという展開。
チャック・コナーズがいい味を出していましたね。
パール・アイブスとチャールズ・ビッグフォードが対立する二つの牧場主としてがっちり脇を固める。何とも渋くて豪華。
旧世代のミスマッチであるこの二人も、最後は相打ちで果ててミスマッチを最終的に解消するのである。
男と女、草原の男と海の男、新旧の世代、複数の対立がモザイク模様をなしつつ終局になだれ込み大団円を迎える展開は見事である。
延々と続くペックとヘストンの殴り合いも語り草でしたね。
監督は「ローマの休日」の名匠、ウィリアム・ワイラー。
それにしてもグレゴリー・ペック、柔らかいバリトンで何とも声の良い俳優ですね。
KISS AND MAKE‐UP―ジーン・シモンズ自伝
発売日に即買って、じっくり読みました。賛否両論まぁいろいろ言われてる内容だけど…結構ショッキングでした、正直。女性とのこととか、メンバーのこととか。でも、彼の考え方とか、生き方とか、なんて言うかパワーみたいなものがすごく伝わってきて、「あ~やっぱりKISSのファンでよかったな」って思えて。それに日本版しかない秘蔵写真も満載で、ホントにキッス・アーミーにはたまらない1冊ですね。
スパルタカス 【ブルーレイ&DVDセット 2500円】 [Blu-ray]
内容的には文句のない傑作、★は5個でもいいのだが、3個にしたのは画質があまりにも良くないため。
二重になった輪郭強調が正に「DVD画質」で、古い作品とは言え、もう少し何とかならなかったのだろうか。
この作品は1960年製作だが、これより10年近く前に作られた「巴里のアメリカ人」のブルーレイが
シャープで美しい映像に仕上がってるのを鑑みると、古さは言い訳にはならないと思うのだが。
この調子では、この頃に製作された「ベンハー」や「クレオパトラ」の将来のブルーレイ化が少し不安に
なってくる。ただ一方で、少し後の「サウンド・オブ・ミュージック」のブルーレイが超高画質になって
いるという話を聞くと、過度に悲観的になる必要もないのかとも思う。
ブルーレイは当たり外れのスリルを味わうのも楽しみ方の一つかもしれない。金太郎飴のようにみんなが
同じような画質ではつまらないのも確かだろう。
Destroyer
キッスといえばこれ、デトロイトロックシティです。いつ、どこで聴いてもいいねぇ。ところでこのアルバムはそれまでの3枚のアルバムとはかなりいろんな部分が変わってきています。デトロイトロックシティのイントロとアウトロの車の効果音(しかし、どうやって録ったんだろう?)、こういうのは初めての試みです。ベスや地獄の遺産、燃えたぎる血気などもそれまでのキッスからは考えられないような曲です。全体的には強引なまでのギターリフがみられなくなったかな。でも、キッスが演奏するとどのような曲調であってもキッスの匂いがプンプンしてくるのだ! ゆえにキッスらしくないなんてのはありえないのだ。そして、キッスはロックンロールオールナイトのスマッシュヒットでつかんだチャンスをこのアルバムによって見事にものにしました。つまり本作品がなければ、キッスはニューヨークのローカルバンドでおわっていたかもしれません。そんな意味でもキッスの長い歴史上最重要アルバムであるといえるかもしれません。
Unmasked
初期オリジナルメンバーのラストとなるこのアルバムは、いままでのKISSのアルバムとは違う。いわゆるグレイテストヒッツ等にことごとく漏れてしまう、万人ウケしないようです。ですが、曲は悪くないと思うんですが・・リーダー曲の入り、ポールの雄叫びかかけ声か、「アウ!」の入りだけでも瞬殺ものです。また、エースの曲「TALK TO ME」「TWO SIDE・・」「TORPEDO GIRL」が抜群で絶倫・・他個人的名曲の「TOMORROW」や「EASY AS IT SEEMS」など、極まった曲はないのかもしれませんが、アルバム単位でこれだけのいい曲があれば、隠れた名盤といってもいいくらいなものだ。個人的にはKISSのアルバムで3枚ならば、間違いなくこれが入ります。
しかし、ウケが良くない・・外部ライターが多くメンバー通しで作った曲がない、さらにピーターおらずで、メンバー間の関係の希薄さや相乗効果からくる神がかり的なグルーブがないのは確かにあるが、個々の能力の高さはもうこのグループの枠に収まらなくなっているかのよう、そうビートルズの「LET IT BE」ということか・・しかし、是非聴いてみて下さい、いい曲ばかりです!!