アニー・ホールは吹き替えで観るとまた違った面白さがあります。 スピード感がたまらないです。 羽佐間道夫と小原乃梨子のコンビで、会話劇ですから、吹き替え映画の最高峰の技術を堪能できます。私はTVで録画した吹き替え版を、作業用BGMとして何度も聞いています。ちょっとした落語の名演クラスです。 英語が出来なければウディ・アレンの独特のユーモアを字幕で理解しても、多分勘違いも多いだろうし、羽佐間道夫さんのセンスもなかなかですよ。小原乃梨子の声の運動神経もさすがです。
アニー・ロスの59年作は、ジャケットの颯爽と歌い上げる感じそのままの洒脱で垢抜けた作品だ。ズート・シムズやジム・ホールと客演も豪華で、特にズートのサックスが効果的に響いている。またピアノのラス・フリーマンもとても軽いタッチで良い伴奏をしている。
さて主役のアニー・ロスのボーカルだが、感情を込めすぎないところが、今聴いても現代的で素晴らしく、スローな曲もアップテンポな曲もとにかくクールで嫌味がない。オールディーズ的なジャズ・ボーカルも多かった時代だが、本作は演奏者全員のセッションが絶妙に絡み合い、まさしくジャズといったフリーなフィーリングに満ち満ちている。
主人公が観客に向かって話し始めるシーンがあるが、観ている側としてはとてもぎこちない気分になってしまう。ともすれば映画の雰囲気を壊しかねない演出だが、主人公のキャラクターにとてもマッチしていると思えた。 矢継ぎ早に繰り出す言葉と展開についていけないような気がするものの、とても内容が明快に伝わってくるのはすばらしい。
1977年のアカデミー受賞作。ウディ・アレンのセンスが彼の本の中から飛びだし立体化した感じ。独特の自虐的な言い回しが冴える。それに脇を固める役者がみんないい味出してて最高の出来栄えだ。 特筆したいことが二つ。ポール・サイモンが売れっ子プロデューサー役で出ているがもうピッタリ。ポールの知らない一面が知れて面白い。もう一つは何といってもダイアン・キートンのファッション・センスだ。着崩しトラッドを彼女以上に着こなせる人は他にいないだろうというくらい素晴らしい。それを見るだけでも価値があるかも。
映画音楽というのは、その音楽と共に映画のワンシーンが思い出されるものです。このCDを聴いていると「あー、イイな~」と目を閉じて、その映画のシーンを思い出します。残念ながら、いくつかの未だ見ていない映画については、あまりピンときませんでした。しかし、さすがはアカデミー賞受賞(ノミネート含む)作品に使われている音楽だけあります!その映画をしらなくても、音楽にかなり惹きこまれます☆☆☆ また、このCD付属の「解説書」はカナリお得モノです。映画評論家の西村雄一郎氏による解説、及びコメント→スゴイですよ!読まなきゃ損!!収録されている曲と映画の解説を読むと、曲をより深く楽しむ事が出来ます。それ以外にも、映画興行ランキングや年代別映画総論も面白いです。もの知りになれ、私もさながら映画解説者(笑) しかし、何よりこのCDの良いところは、「沢山の映画を観たい!!!」という気持ちにさせてくれる事です。今年は時間を見つけて、このCDに収録されている曲が使われた映画を、一つ一つ観ていきたいですね☆ でもでも、折角なら2枚組にしてもっと沢山の楽曲を入れてもいいのではないでしょうかね???という事で、4☆です。
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