原作は著名な檀一雄の「火宅の人」。家庭を持ちながらも、様々な女性との情事。流浪のように流れ流れ流れる旅。しかし、原作のトーンとも通低するのが、暗く、憂鬱にならず、あっけらかんと明るいところが本作の特徴。普通これだけ問題があれば、家庭なんてめちゃめちゃなんだけど、すべての人間の真剣な切なさを持ちつつも、前向きに生きる明るさはとても良い。脚本・演技・演出の完成度も高く、かなり面白い。主演の緒形拳は放蕩しつつも憎めない「壇一雄」をはつらつと演じていてとても好感。監督は、あの「深作欣二byバトルロワイヤル」さんです。邦画って捨てたものじゃないです。
この本を読むと、日本を旅したくなります。
世界を旅したくなります。
美味しいものを食べたくなります。
見たことの無いものを食べたくなります。
放浪していたくなります。
素晴らしい本です。ぜひ読んでください。
何歳で読んでも、素晴らしい刺激があります。何度でも読み返したい本です。
この未見の世界に連れてってくれることこそ、まさに読書。
ただ、非常に淡々とした文体なので。そこの好き嫌いは気をつけて。
著者は酒ばっかし飲んでるんだよね。酒を飲めない私には旅の楽しさは半減するだろうけど 酒を飲み現地の飲み屋で現地の人と交わるのは、旅の醍醐味ですよ。
だからね、旅行記でもあるんだけど、酒を媒体とした酒による酒の為の本です。 酒好き旅行好きの為の本('∀`*)ぷっはぁ〜〜
人間とは、必然もなく生まれ、しばしこの世に澱み、そして、風に流されていくだけなのだと改めて感じさせてくれる作品である。それについてどのような子細らしい反論も、寄せ付けないほどの迫力を感じた。私小説という形態をとり、破天荒な人生を歩む作家本人の心中を赤裸々に語っているようにみせ、実に人間の本質を余すところなく描いた大作である。
1976年に講談社から出た単行本の文庫化。
壇一雄は「日本の三大美食エッセイストのひとり」と評されているらしいが、まさにそのとおり。素晴らしい本だった。
軽妙な文章、豊富な食の体験、奥深い人間性と三拍子そろっていて、文章を通して美味しさが伝わってくる。
エッセイの一篇一篇はわずか数頁だが、スッポン、濁り酒、ジュンサイ、ジネンジョなど、いずれの話も印象深い。飾らない文体も心地よい。
一気に読んでしまうのはもったいない一冊。じっくりと味わって欲しい。
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