プログレとしてのキング・クリムゾンが 前期は「アイランド」で、現実・伝説・魔術さえも静かに宇宙へ吸い込まれていくかのような終焉を迎え 後期は「レッド」で、知性・本能・暴力・生命・宗教といった全ての存在が世紀末的破滅へと加速し消滅
ジャケットもメンバーの写真を全面としたこれまでにないデザインで、極めてリアルな印象がある
このアルバムをもって、改めて感じるのは やはり、キングクリムゾンのアルバムをどれが最高だとか、テクニックがどうのとかいう議論がいかに空虚なものであるかということだ 彼らの1作毎が一つの確立した芸術作品であり、比較対照するべきものでなく、歴史的考察として眺めるのが正しいと思う
現在、こういった作品群を創れるミュージシャンは思い浮かばない また、彼らの作品を真に理解できるリスナーも少なくなったように思う
プログレの創世記から成熟期、そして消滅・分散化へと時代が変遷していく中で Rフリップ Bブラフォード Jウエットン この時期、こんな組み合わせなんて、もう奇跡としかいいようがありません
プログレと呼べるKクリムゾンのアルバムはこれが最後だったと思います つまりプログレ時代の終焉を告げる位置づけとも言える歴史的作品です
三人の顔ジャケットだけでも、拝む価値あり
今回の特長はなんといってもキネティック版以来のミゼルドリットが登場すること。
彼女の登場によって、いつもよりさらにニヤニヤと頬がゆるんでしまうことは間違いないと思う。
もちろんフォロンとコーティの絡みはいつもどおりにおもしろい!
今作ではシリアスなシーンは最後に少しあるだけ。後編でどう展開するのか楽しみだ。
とにかく良いですよ。 前作が「構造」ならば本作品は「発展」と言えます。 フリップのミュージシャンとしての能力は言うまでもないですけど、本作品は他のメンバーの良さも出でいます。 現クリムゾン(line up 6)ではとかくマステロット(ドラム)への批判が多く有りましたが、本作品の彼の貢献は大きいです。パワープレイに巧みさがプラスされて、曲がもたらす雰囲気の中心になっていると言えます。 それに加えガンのベース(正確にはwarr guitar)もいい味出してます。ガンの前作までの印象は「いい意味で個性がない」って感じでしたが、本作品では曲ごとに彼の意思を感じます(演奏もいいですけど、特に音が面白い)。きっと本作品を聴いた人はレビンとの比較かいかに意味のないものだったかに気付くはずです。 そしてブリュー・・・ヴォーカルに難ありは変わらないですけど、前作よりは歌いやすい曲が多いのが救いかも。ギターはあいかわらず上手いですね。 最後に選曲について。各曲のタイプがそれぞれ異なるのは嬉しいですね。他のバンドやアーティストのCDではありえません。若いアーティストは見習って欲しいですね。クリムゾンのCDを聴いて唯一、嫌な事は、他のアーティスト達を批判がちになってしまう事ですね(笑)
決して映画のノベライズではございませんので、安心して書店で手に取って見て下さい。超弩級のフレンチ・ミステリ暴走特急を体感すべし。吉野仁氏強力プッシュ、宮部みゆきも夢中になったという骨太な剛速球を著したのは実は新人作家なんですよね。一種バカミス系だけど、ある部分超越しちゃえば怖いもの無しだもの。グイグイ迫るスピード感たるや凡百の作家を牛蒡抜きにするハイテンション。映画化されたのも宜なるかな。実に映像的な描写もこの作家の得意とするところ。ニエマンス警視正なんて、ジャン・レノそのものだもの。彼を念頭に置いてキャラを練り上げたとしか言いようがないぞ。それほどピッタシはまってるのよ。冒頭、フーリガン相手に暴走するニエマンスの危ないデカぶりで掴みはOKってやつね。 緋色の川って何? 謎が謎を呼んで猟奇殺人に震撼するフランスの田舎町に展開する推理劇って、一種、横溝正史の世界だよね。ハイパーバイオレンスな調味料で味付けされてるけど、これにロビン・クック味を少々。過去が現在を浸食し、甦った亡霊とともに暴き出された謎のスケールに瞠目すべし。あまりに突出してるがゆえに難色を示す人もいるでしょうが、ミステリの分野を超えたノワール小説としての味わいもフランス産ならではですな。構築された陰謀の荒唐無稽さをカバーするには、それ以上のインパクトを読者に与えればいい。こういう刑事を創造したグランジェの力業が、一気に最後まで読ませる原動力になってるちゅー わけね。二人の刑事の持つ暗い情念が結実するラストもまたハッピーエンドとは無縁の諸行無常さが仄光る秀逸さ。 見る前に読め。映画ではかなり各エピソードが端折られて描かれているようで、見ただけでは理解不能な箇所も出てくるようですな。全て納得した上でのジュード・イテロの物語ですから、そのバックグラウンドはしっかり把握して見てこそ映画ともども立体的に楽しめる様子ですね。相方がヴァンサン・カッセルってのもかなりブチ切れた役者起用ですので、期待度高いよね。すでに見ちゃった方には本書を読んで緋色の川の秘密にさらに深く触れてみるのも一興かと思うのであります。アブドゥフは役名変えられちゃってるようですが、脚本もグランジェが関わってるようですので、原作のテイストを損なうこともないと勝手に判断しております。早いとこ見に行かなくっちゃ。
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