-いつまでもかわらないこと- 広辞苑には「万古不易」の意味としてこのように掲載されています。 調所笑左衛門広郷 私はこの人物を知らなかったし、タイトルから「薩摩」のことが書いてある小説だろうとしか思わなかった。 薩摩島津家関連で小説に登場する主人公と言えば、島津義弘・斉彬・久光、西郷、大久保、大山巌、桐野利秋、東郷平八郎くらいが相場だ。 目次には「借金五百万両」「黒糖地獄」「唐物抜荷」…とただならぬ様子。 しかし読み進めるとエンディングまではあっという間だった。 主君重豪の命を受け、53歳で藩財政改革主任に抜擢されて73歳で自害するまで、多くの犠牲を払ってまで改革を推し進めたその「信念」と「忠孝」の心に感銘を受けた。広郷が「幕末から明治維新後の日本の歴史の基点の一つになっている」と言っても過言ではないような気がした。そして今、私たちは多くの犠牲の上に立っている、生かされていることを再確認した。 日本の歴史を顧みて、今日までの多くの犠牲を無駄にしてはならないとこの本を読み終えて改めて思った。
なかなか氏郷の本格的な小説がなかったのですが、ようやく出会いました。ありがとうございます。 信長配下の頃は躍動感があり清々しいです。また、信長のイエズスとの駆け引きは読み応え十分です。 個人的に氏郷を尊敬しており、苦難に遭っても超然とした氏郷の姿を期待していたので、後半は秀吉に振り回されている感があり、やや残念でした。
本多政重が直江兼継の養子になっていたことをこの本を読む少しまえにNHK大河ドラマでしりました。本多正信次男に興味が沸き購入してみました。朝鮮の役への直接参加ではないがこれほど詳細に記述した小説はなかなかお目にかかれない。徳川、大谷、宇喜多、前田、直江そして徳川と数奇な人生を歩んだ政重の信念を思い起こさせる内容だ。最後の人生までもう一冊ほしいところだ。歴史小説204作品目の感想。2009/11/12
書籍は古書で十分だと思っている、何回も読み返すことはたいていないので 一度読んだだけの本が古書になってしまうのは、もったいないし、こんないいものを 提供していただけるのは、ありがたいことである
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