やっぱり面白いです。
この巻で球磨川編が終わって新しい物語に突入します。
それはそうと平戸ロイヤルさんが準レギュラー化してきてる気がします(笑)
本編でもおまけページでも彼女は活躍してます(笑)
多少ですがネタバレが含まれるレビューですので、未読の方はご留意ください。
前作上巻『久々原滅私の腑抜けた君臨または啝ノ浦さなぎの足蹴による投票』の続編となっています。 今回、黒神めだかと相対する教師、杁理知戯と椋枝閾のエピソードです。
第000箱は強い者に面従する杁理知戯が椋枝閾の命で黒神めだかの生徒会長立候補取り下げに奔走するお話です。 奔走といっても彼自身の強い思いでめだかに敵対するのではなく、あくまで椋枝閾の指示で敵対する点がミソです。 それを『仕方なく』とも『嫌々』とも感じていない、杁理知戯の性格が垣間窺えます。 この話のオチとして彼は後にマイナス一三組の担任となるのですが、そのオチに至るまでに杁理知戯が過負荷寄りな人間であることに 気付くことが出来た原作ファンもいるのではないでしょうか。
そして(恐らく小説版の)最終話にあたる第0000箱、教師陣の中でも最も脅威といえる重鎮、椋枝閾のお話。 序盤では明らかに敵対心を見せる椋枝。感情で動いているではないにせよ、明確に黒神めだかを生徒会という 領域に近づけまいと策を弄します。 しかし小説版初登場の不知火半袖や太刀洗斬子のアドバイスや『警告』を経て、意外なことにめだかと対面することなく 椋枝は敗北を認めてしまいます。
個人的にはその後のエピローグが好きです。椋枝閾はなんと『めだかボックス(目安箱)』の生みの親でした。 その際にめだかと一対一で会話をする椋枝閾に、私は彼の純粋な教師の一面を見受けました。
さりげなく久々原滅私が全エピソードのキーパーソンとなっているところが面白いです。 そして平戸ロイヤルさん、まさかこの方が密かに(名前だけの形とはいえ)登場するとは……。
めだかボックスの前日譚、私は当初あまり期待していませんでしたが、思いの外楽しむことが出来ました。 原作ファンの方にならオススメできるシリーズである一方、やはり原作未読の方には絶対に勧められない小説。 そのため評価は星四つとさせていただきました。
生徒会戦挙の会計戦・副会長戦です。
ヤンデレの江迎ちゃんが活躍する美味しい回でもありますが、やはりストーリーの中心は球磨川くんになります。
無敵の気持ち悪さ・最強の終わってる感で他を圧倒していた球磨川くんですが、
江迎ちゃんや人吉先生・安心院さんや善吉に揺さぶられ、球磨川神話が瓦解していきます。隠していた「人がましさ」も剥き出しにされ、無敵のアンチヒーローであったはずの彼が純然と「勝ちたい」と(無茶苦茶な理屈を混ぜながら)決意する。この展開は燃える! ほとんどこの巻、いや球磨川シリーズは彼が主人公と言って間違いないでしょう。
ダークヒーローというのは過去にも多くいましたが、彼はほんとにいいキャラだなぁ。
それにしても西尾維新の台詞回しの上手さには感心します。韻を踏んでリズミカルであるだけでなく、一見ただの駄洒落的なダブルミーニングかと思いきや、その場の台詞としてすごくしっくりきたりする。小説家に言うことではないですが相当の文章フェチズムです。アニメで実際に喋ったりすると、一見くどい言い回しなのにすらすらと頭に入ってくるのは化物語でも証明されてますしね(電○女の台詞回しと比べるとよくわかります)。
と、脱線しました。次回で球磨川編完結!
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