この映画、いいなぁ。場末のドサ周りに落ちぶれても、夢と、希望と、紳士の心を失わない、愛すべきブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)。たった3ドルの両替のために銀行に入るとき、出てきたオバハンに敬礼してレディ・ファーストだし、そんなビリーに惹かれてくじゃじゃ馬娘(熟女?)のミス・アントワネット(ソンドラ・ロック)に対してネイティブアメリカンの古参おばさん団員(シエラ・ペチャー)が味のある一言。「アパッチではそれを愛っていうのよ、自分から逃げないで」。今日びだと「先住民」といわなきゃならないところを、インディアンって言ってるのもいいなぁ。ラストでミス・アントワネットが茶目っけな笑顔で登場したときの、一座みんなの驚きと、ドク(スキャットマン・クロザース)の、真っ白い歯並びをもろ出しにした最高に嬉しそうなあの笑顔。あの顔だけでこっちも嬉しくなっちゃう。いいなぁ。 こういう、一途な男と勝ち気な女性がくっついてめでたしめでたしっていうのは、古きよきアメリカ映画の伝統ですよね。映画マニアは評価しないだろうけど、これが映画の王道ってもんでしょう。私は、ブロンコ・ビリーとワイルド・ウエスト・ショーのみんなを愛します。
『ダーティ・ハリー』の影響か、タフで、(時として)暴力的なイメージが強い
イーストウッド。しかし、それは、ドン・シーゲルやセルジオ・レオーネの作
品においてのこと。イーストウッド自身の作品では、タフで男らしくあるが、
それ以上に「やさしい」人物像(作風も)を演じることが多い。
本作でも、時代遅れの西部への夢をひきずるワイルド・ウエスト・ ショーの
やさしく(時に癇癪を起こすのだが!)、頼りになるボスを好演している。彼は、
夢のない時代だからこそ、人々―とりわけ子どもたち―に西部の夢を与える
ことに人生をかけている。彼の車に群がる子どもたちの前に、逆光で、シル
エットになったカウボーイ姿のイーストウッドが「手を挙げろ!」と登場する微
笑ましいシーンに 失われてしまった時代への美しい憧憬が表れている。タ
フで、頑固で、やさしい。まさにイーストウッド・ヒーローである。
イーストウッドは、ボスとじゃじゃ馬の都会的女性(実生活のパートナーでも
あったソンドラ・ロック)の恋の駆け引きを軸に(まさに『牧童と貴婦人』)、
ショーの仲間たちとの楽しい(つらくもあるのだが)巡業をやさしく、愛情一杯
のユーモアで描いていく。力まず軽い演出に、いつしか観る者もワイルド・ウ
エスト・ショーの仲間に迎えられたような感覚になるだろう。イーストウッド自
ら、キャプラ風作品を目指したというだけあって、幸福感に溢れた作品になっ
ている。
本DVDは、本編のみという寂しい仕様。イーストウッドのマルパソ・プロは、
DVD化に際して、特典をあまり付けさせない方針ということらしいが、将来的
に、特典映像も収録して、再発売して欲しいところだ。
この映画、いいなぁ。場末のドサ周りに落ちぶれても、夢と、希望と、紳士の心を失わない、愛すべきブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)。たった3ドルの両替のために銀行に入るとき、出てきたオバハンに敬礼してレディ・ファーストだし、そんなビリーに惹かれてくじゃじゃ馬娘(熟女?)のミス・アントワネット(ソンドラ・ロック)に対してネイティブアメリカンの古参おばさん団員(シエラ・ペチャー)が味のある一言。「アパッチではそれを愛っていうのよ、自分から逃げないで」。今日びだと「先住民」といわなきゃならないところを、インディアンって言ってるのもいいなぁ。ラストでミス・アントワネットが茶目っけな笑顔で登場したときの、一座みんなの驚きと、ドク(スキャットマン・クロザース)の、真っ白い歯並びをもろ出しにした最高に嬉しそうなあの笑顔。あの顔だけでこっちも嬉しくなっちゃう。いいなぁ。 こういう、一途な男と勝ち気な女性がくっついてめでたしめでたしっていうのは、古きよきアメリカ映画の伝統ですよね。映画マニアは評価しないだろうけど、これが映画の王道ってもんでしょう。私は、ブロンコ・ビリーとワイルド・ウエスト・ショーのみんなを愛します。
結構、面白い作品だったんだなぁ、と今更ながらに感じています。 初めて観た当時はEastwoodと言えば、アクションスターのイメージが強かった(特にHarry刑事役が強烈すぎた)ので、こういったほのぼのとしたLove-Comedyっぽい作品は私にとって余り、馴染まなかったのが本音です。 しかし、それから25年ほどたち、私もオッサンとなった、今、このような作品のEastwoodもとても魅力的であり、更に驚きなのが、当時、何処が良いのかさっぱりわからなかったソンドラ・ロックまでがマシに見えてしまうのだか ら人間って年取ると映画を見る目も変わってしまうんだなとつくづく感じました。 とりあえず、最近のEastwoodの主演作・監督作にはどうにも付いていけない方にお薦めします。
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