ファミコンミニ ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 前後編
オリジナル版経験者(一ヶ月遅れて発売される後編に物凄く焦らされた者)です。なので、相当な思い入れがあるのですが。それをさて置いても、いいゲームだなぁと思います。
ともすれば「ホラーアドベンチャー」と評されてしまいますけど、当時は今ほど「ホラー」色を売りにしてはいなかったと思います。記憶を失った主人公、土着の伝説・因習が今なお生きてる村で起った事件、などなど、(「怖いー!!」とドキドキしながらプレイしていましたが)ミステリアスな事件モノ。
(犬神家や八つ墓村などの)横溝作品的な世界を体験出来るような。
旅情ミステリー的な作品やハードボイルド、あるいはトリック看破重視だったり、異世界を冒険する物語・SF、そういった内容の当時のアドベンチャーゲームの中では珍しかったんじゃないかなと記憶してます。
一本道のシナリオだったり、フラグ立て・コマンド総当りのゲーム進行など、今となっては何かとマイナスなイメージで言われてしまいますけど。
シナリオは「犯人当ての推理モノ」としてキチンと一本筋の通った面白い(子供も大人も楽しめるような)物語ですし。ワケの解らない分岐でふざけた内容の物語に展開し「マルチストーリー」を謳うよりは(個人的には)ずっと誠意があると思います。
コマンド総当りで進行すると言っても、当時の他のアドベンチャーゲームと違って、必要な情報を入手する事で初めて選択出来る項目が現れたり、その場面に不要なコマンドは表示されなかったりするので、遊びやすさも大きかったですし、何より、「自分で操作してる感覚」が強かったです。今のゲームでは当たり前になっているような事柄の、お手本・基本になってる要素が詰まっていると思います。
先行の名作アドベンチャーのいいところ・お約束はしっかり取り入れつつ(3D視点の迷路探索など)、独自のファン層を開拓したんじゃないかと思います。
あくまで当時の完全移植ですので、いいところも悪いところも当時のまんまです。
長いセリフを何度も繰り返す…などの不満点は、続編の「うしろに立つ少女」で改善されてますし。他のモロモロも、以降どんどん改善されています。なので、新規で遊ばれる方々には(今のモノサシで見れば当然、不満に思うところも多くなると思いますけど)いちいち不満を挙げるよりは、よかった所を見つけつつ遊んでいただきたいです。当時のゲームはこういう物だったのか、みたいな。
ファミコンミニ ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女 前後編
1989年にディスクシステムゲームとして発売されたファミコン探偵倶楽部の2作目が15年の時を経て、当時のままの形で、帰って来ました。
「キャラを殺したから、消したから話が進む。しかし、そこに「なぜ」という理由や、強烈なまでの憎しみの本心が存在しない」
そんなストーリーなきアニメーションや漫画をこの数年で何本か目にし、
「こんないい加減さでは作品に何らかの貢献をしてもいい作品を読ませて貰ったという本心を覚えることが出来ない」
とテレビ離れをしていた、と同時に、ファミ探のような本筋が太い作品を自分が求め始めた矢先の復刻決定。
リアルタイム世代として、正に、「あの恐怖と感動が再び甦る!!」の一言に尽きます。
学園物の舞台。学校内を行き来することで生徒や先生から情報を集めるスタイルでの親しみの覚えやすさ。プレイヤーを一筋の方向へ導きながら、最後の一行で待ち構える驚愕の真実。
一度クリアーしたら二度と忘れられないゲームであり、今プレイすると「ストーリーとは何か」を再確認させられます。
今回は「消えた後継者」との同時発売ですが、「1をやっていないから2の筋が楽しめない」といった不親切さはなく、どちらから先にプレイしても問題はありません。
任天堂 サウンドヒストリーシリーズ「ディスクシステム レアセレクション」
小学生の頃ビクビクしながらプレイした『ファミコン探偵倶楽部』目当てで購入した。あの横溝正史チックな薄暗く切ないムードが懐かしくも蘇る。当時の音源もCDでこうして聴くとチープながらも、あの頃の記憶が蘇る。まるで「消えた後継者」の主人公と同じじゃないか(笑)。