ハカイジュウ (1) (少年チャンピオン・コミックス)
物語の核心部分にまでストーリーがおよんでいないため、今後の展開次第で化ける可能性が高い作品と言える。
作画にどことなくバトルロワイアル風味が漂い、グロ耐性があるパニックホラー好きなら現時点では安心してお勧めできるレベルの作品。
古くは漂流教室やドラゴンヘッドといった作品と似た流れを汲む内容だが、前述の作品のような終わらせ方をしないできちんとWHY?を説明して綺麗に終劇できるのであれば大作になる可能性は十分、逆に同様の投げっぱなしな終わらせ方ならまた騙された訳だが…というがっかり作品の仲間入りとなる。進撃の巨人が余りに早い話題のなり方により、メッキが剥がれつつあるのを垣間見るに、現状この作品はこのまま水面下でひっそりと読者数をじわじわ増やす売れ方を希望したいものです。
グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション [DVD]
「グエムル」は、ストーリー、イメージ、ともに予測不能な部分が多く、鑑賞後に賛否両論が起こって当然の異質な映画ですが、まだ観ていない人で「なんだか気になる」という人はとりあえず観てすっきりした方が良いでしょう。ただし、予想を裏切られる事はあっても、予想を超える事は無いので、最初から興味が無い人にはあまりオススメできません。
この映画の最大の見所はやはり、両生類とも魚類ともつかない、謎の怪物の描写です。とくに初登場時のインパクトはかなりのもの。川べりを、なんの前触れもなく全力疾走してきて、昼間の公園でいきなりの大暴れ。この映画の場合、怪物の姿を隠すとか、徐々に正体を明かすとかそういうのが全くない潔さが新鮮。CGでつくられた怪物の動きやリアルな肌の質感は十分ハイレベルで、「怪物みたさ」にこの映画を観た私としては、この映画のクライマックスはまさにこの場面だったと言えます。いかにも汚染されてそうな漢江と、巨大すぎない怪物のリアルさは、なかなかの説得力でした。
ただ、登場のインパクトが強すぎた為か、ストーリーの方は、どうしても徐々に失速気味になってしまいます。説明不足な設定が多いのは目をつぶるとしても、型破りなエネルギーが最後まで持続していないのはやや残念。コミカルなやり取りや、米国批判、意外なラストと、色々な要素が詰まっていますが、結論としてはやはり「怪物を観るべし」。
決して、全ての人が満足する映画ではないですが、「都市伝説」とか「幻の生物」といったキーワードが好きな人には、十分すぎるインパクトがあって楽しめる映画だと思います。
モンスターズ / 地球外生命体 [Blu-ray]
見る前と見終わった後でこれほど違いの出る作品は珍しい。
あり得ない視覚映像。あり得ない駒の進み。あり得ない結末。相当な珍品であり、相当な見応え。細かいことをいうとつまらなくなるので、もうこれ以上何もいいません。騙されたと思ってみてください。
この映画が面白いかそうでないかは、あなたがどういう人であるかを計ることにイコール。とにかくゆっくりご覧下さい。