格闘シーンやカーチェイスは映像ならではの迫力があるものの、主人公が記憶喪失 であることを描写する場合はテキストの方が適切に表現できるのではないか、と思い ながら観ていた。その時ディスプレイに、パリでトレッドストーンの後方支援活動に 従事している女性が映し出された。なにかを持っている女優は画面を輝かせる。 Julia Stiles に出逢えたことが最高の収穫。
ほかのレビューでも書かれていることですが、まず前作を観ないと面白さが半減します!
このシリーズは2・3作目で監督等が変わった為コンセプトが大きく変わっています。
1作目が謎解きとアクションが主体であったのに対して、2・3作目ではそれに加えて「謎の答えに対してどうするか?」が大きな問題になっています。
シナリオの中の重要度は「謎解き」<「謎の答えにどう向かい合うか?」といっていいでしょう。
ネタばれは避けますが今回の「謎」の答えはひどく現実的な答えです。
当時、イラク戦争を行い、大量破壊兵器は見つからず、しかも戦争としての大義も「おそらくねつ造」されたものだと肌で感じ取る空気だったのでしょう。
もはや、自分(アメリカおよび賛同国)は表立っては言えないが「悪」になってしまったこと、「罪」をおかしたこと、その罪が「取り返しのつかないこと(イラクの悲惨な惨状、苦しむイラク国民)」。
まさにその姿は最後のジェイソン・ボーンとうりふたつです。
この、アメリカ的な感情を表した映画は他に、「ダークナイト」がありますが、こちらは「それでも戦い続ける、自分の正義を模索する」という答えとはとはまるで違います。
「もはや許されない罪を犯し、罪を認め、しかし償うことはできず、それでもなおその救いようのない自分と向き合いながらも生きざる得ない状況をかかえて生きる。」偽善的、己を正当化しようとしない分、ボーンの方が好感が持てます。
もちろん、ジェイソン・ボーンは犯罪者で現実的には裁かれなきゃいけないのでしょうが。
良いアルバムです。曲から映画の映像が思い出されるほどです。 ヨーロッパ中の暗殺者達に連絡をするシーンの曲はシビれます。 面白いなあという音もあって、それらはヨーロッパの風景にとてもマッチしてす。 ただ残念なのはカーチェイスシーンの曲とエンディングの歌が無いことです。この2曲は劇場に足を運んだ人は頭に残っているのではないかでしょうか。残っていなくてもアルバムを聞き終わったあと若干物足りなさを感じます。 アルバムがJohn Powell名義なので彼の描いた曲だけが収録されているようです。 カーチェイスシーンはPaul OakenfoldというDJのReady Steady Goという曲で、エンディング曲はMobyのExtream Waysです。ボーン・アイデンティティーにはまってしまった人はそちらも要チェック。 星3つは悪いという評価ではなく、この1枚では全曲は聴けないよ、という意味です。
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