「世界の中の『禁断の果実』を食べ歩く」というサブタイトルだが、小泉武夫がよく著するような、ただの「珍食紀行」では無い。もちろん、そうしたアプローチの過程も、しっかりレポートはされている。しかもそのスリルがユーモアとアイロニーに富んだ筆致でもって綴られ、それぞれの「ブツ」に対する詳細な分析と考察も相まって、読む者の興味を掻き立てられどうしだ。1行1ベージを追うのが実に楽しい。 しかし筆者が伝えんとする事は、更に深くて重い問題だ。酒(イエメベレント、アブサン)煙草(コイーパ・エスプレンディード)ドラッグ(コカ)というものに対しての、体に有害だからという押し付けがましい規制。米国による生チーズ(エポワス)食肉(クリアディリャスや生ハム)へのダブルスタンダードな輸入規制。クラッカー(ポピーシード)に至っては、品物そのもののレポより、それを持ち込んだシンガポールの過剰な管理社会に対しての疑問を投げ掛ける。そして終章において彼は、それらリスクがある(と、決めつけられる)嗜好品に対する行き過ぎた規制のナンセンスと悪循環、それを鋭く明瞭に論証し切っているのは見事と言う他は無い。自ら吐露する「俄かジャンキー体験」も、その説得力に一役買っているのだろう。 タブー、禁断であるが故の危うい魅力への誘い。それを通した社会批評。二重の読み応えが味わえる最近出色のノンフィクションの一冊!
ライオンキングのミュージカルを見て感動し、早くもう一度観劇したくて居ても立っても居られずシンバみたいに「ウォーーーーーーー!!!!」とか叫んでいるそこのあなた!!心配ないさです、次の観劇までの抑えられない気持ちをこれで抑えましょう!(※逆効果になる可能性もあります)
CDの再生ボタンを押して目をつぶれば、青山ラフィキが歌いだしそこはすぐにサバンナの大草原へと変わります。キャストも現在では絶対に全員はそろわないキャストです。下村スカーは、嫌らしさと狂気に満ちていてただただ圧倒されます。そして、いまや伝説となっている坂本シンバのどこまでも伸びる声、特に『ハクナ・マタタ』で「♪心配ないさ〜」と登場した瞬間、一気に惹きつけられる歌声です。濱田ナラは気高さと芯の強さを兼ね備えているのが声だけでもわかります。その他の脇役の役者さんたちも非常にレベルの高いことがわかると思います。
ライオンキングを見た人はもちろん、まだ見ていない人もいかがでしょう?これを聞いてから観劇するとまた違う視点でミュージカルを見ることができると思います。
比較的入手容易なカバー元の音源を下に書きます。 冬越え:細野晴臣「HOSONO HOUSE」 風は何も恐れはしない:杏「喫茶ロック ソニー編」 曇り空:荒井由実「ひこうき雲」 扉の冬:吉田美奈子「扉の冬」 君をさらって:ジャックス(早川義夫)「ジャックスの奇蹟」 虹を歌おう:赤い鳥「CD選書ベスト『翼をください』」「祈り」 時にまかせて:金延幸子「時にまかせて 金延幸子レア・トラックス」 少女:五輪真弓「少女」 コーヒーブルース:高田渡「高田渡 BOX」 一本道:友部正人「にんじん」 僕は70年半ばに生まれたので、このアルバムに収録されている全ての曲に馴染みがなかったのですが、調べていると、ああ、あれを歌っていた人なのかと曲の方から思い出したりしました。基本的には70年代の名曲な訳で、懐かしく、悪く書けば古臭く聴こえるかなぁ、と思っていたんですけど、意外と新鮮な響きで驚きました。 後これは蛇足ですが、杏の元メンバーの方が「Memi」名義で音楽活動を再開なされたそうです。今回の辻さんのカバーアルバムで興味を持たれた方はそちらの方も聴いてみてはいかがでしょうか。
作者の回帰祭と比べると大分内容が整った感じがします。 一応回帰際と世界は繋がっているようですが、読まなくても十分たのしめます。 ただ、ご都合主義ハッピーエンドに慣れきっていた人(私のことです) からすると最後の方はスッキリしなかった感じがしました。 それとソフトSFなので海外のハードSFに慣れ親しんだ人には物足りないかもしれません。その代わりと言っては失礼ですが心理描写などは丁寧で分かりやすいものになっていて 読みやすい良い作品だと思います。
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