前作のイングラム1号機との比較が主になりますが。
まず、足首と腰の可動範囲はこちらの方が広いようです。
手は、平手、貫手、握り手の3種類が左右それぞれについており、 形状がスマートな為、手首の可動範囲もこちらの方が上。
タンポ印刷でステンシルがされているため、スミ入れだけでも結構見栄えするのではないかと。 SDなので個人的にはあまり過度なウェザリングを施す気も無いので。
イングラムに比べて悪くなった点を。 まず、首裏内側の黒いカバーのおかげで頭部の可動範囲が殆どありません。 イングラムは1周できる程自由に動かせたので、この点は改造の必要があります。
次に、肩のパトランプは先端部分にランナーが付いているため、切断後にクリアレッドで塗装する必要があります。 そして、装甲部は、真ん中にパーティングラインが入っている為、ココも加工する必要があります。
手首が、可動範囲が向上した代わりにポリキャップが丸見えなのも問題かと。
腰回りも形状のせいか、腰を捻った状態で正面からみると、スカスカな印象があります。0.5ミリ程度のプラ板を貼って塞げば少しは印象が変わるかも。
来月発売される2号機にステッカーを付けるという商法は、どのみち全部買うにしろ、 手に入ったらすぐ作りたい人には、待たされるよなものなので、あまり好感は持てませんね。
総評としては、値段の割には出来がいいと思います。組み立ても簡単です。 但し、塗装したい方は来月の2号機発売を待ってからの方が宜しいかと思われます。
作者本人も後書きで書いている通りトンデモない大ホラ話です。
そもそもしょっぱなから巨大ザリガニが出現!人間を襲って食べてしまう!!というどう考えてもB級な設定。
こんなノリで始まってるくせに、妙に感動させたり、考えさせられたり、過ぎた若き日々の悩みを振り返りたくなったり。
確実にライトノベルなのに小難しい用語とか組織の説明とかがまた面白い。有川さんらしいスピード感で「ありえない」と思いつつもぐいぐい読ませます。
真剣に裏工作する大人たちの話もいいし、艦内の子ども達とのいかにも青春小説っぽい悩みもいい。セリフのやり取りにも勢いがあって楽しめます。
ご都合主義な感は否めませんが、読後感もいいし、お勧めです!
ゆうき氏がコミック連載初期に月刊ニュータイプで描いた、アニメ(アーリーデイズ)設定のエピソード。小学舘発行の劇場版第1作ムックに再録され、後にTVシリーズで映像化。連載後期のシリアス展開と異なり、パトレイバーが一種のパロディを目指していたことが窺える一品です。
日本が世界に誇る鬼才、押井守監督の劇場版アニメーション第3作。押井作品というと、難解な印象を持つ方も多いと思いますが、この「パトレイバー劇場版」は子供から大人まで誰が観ても楽しめる作品に仕上がっています。ビデオ発売当時、普段はアニメなど見もしなかった還暦の亡父が「これはおもしろいな」と嬉しそうに言ったのが記憶に残っています。ただし、楽しむと言っても、派手なアクションと言うよりは、しっかりと練り込まれた脚本(後に平成ガメラシリーズを手がける伊藤和典による)や、ロケハンをもとに「東京」という都市の光と陰を見事に描き出した美術などをじっくりと味わうといった、言わば知的エンターテイメントとして捉えた方が、その良さが際立つかも知れません。畳敷きの下宿で展開する、戦慄のコンピュータシミュレーション、また、薄暮の隊長室で交わされる、聖書と関連づけられた犯罪計画についての会話など、一見地味ながら思わず高揚させられてしまう素晴らしいシークエンスが満載。単なるロボット活劇と侮るなかれ。必見です!
押井監督の持論が好きで、著作はほとんど購入している者です。 「監督がパトレイバーの小説を出す」と聞き、発売日に購入しました。 久しぶりに読み返したのを機に、レビューを書こうと思います。
すでに多くの方が書かれているように、パトの続編としてほとんど評価に値しなません。 特車二課のその後を純粋に描くなら、キャラを劣化コピーにはしてほしくなかったし、盛り上がりに欠ける事件の展開、申し訳程度に登場する他作者のキャラクター、121ページに居ないはずの大田原が発言したりと、目も当てられません。
でも、押井ファンの私としては、なかなか楽しめました。 監督は前著『勝つために戦え!』(エンターブレイン 2006年03月 発行)で、サッカーに対する持論、薀蓄を展開しています。その分量や内容は、他の話題との関係で、少し寂しいものがありました。 今作は、「パトレイバーの続編小説」としてではなく、「『勝つために戦え!』の続き」として読めばかなり楽しめます。 他の方が書いていましたが、「サッカーを語りたい押井」と「パトの続編で安牌を切りたい編集者」との妥協の産物のような気がしてなりません。 採算は取れないかもしれませんが、サッカーの薀蓄は対談本として、監督の意欲は出ないかもしれませんが、パトの続編は純粋に小説を、と分けて出版して欲しかったというのが、正直な感想です。 以前、監督は映画『イノセンス』でIGの石川社長にギャラをかなり減らされた(たしか半分)という記事を読みました。私は勝手に「その代わりに『立喰師列伝』を撮ったんだな」と推測していますが、こんな感じの取引を今作でもして欲しかったです。
評価としては、定価で購入した場合、小説としては★、薀蓄本としては★★★★といったところでしょうか。 総合評価は「まぁ、1575円ならいいかな」ということで「It's OK」とさせていただきます。
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