この作品、ジェームス・ディーンの遺作という話題だけが先行して、正当な評価を受けていないような気がします。ロック・ハドソンとエリザベス・テーラーを中心とするひとつの家族の歴史を3世代にも渡って語ることで、アメリカの歴史そのものを描こうとしている野心作です。ジェームス・ディーンは、貧民から巨万の富を得る大富豪に成功を収めながらも、結局は誰からも愛されない孤独なキャラクターを好演しています。酔いつぶれながら、涙ながらに永遠に手に入れる事が出来ないテイラーへの想いを語る場面は圧巻。その後、凋落していくアメリカの姿を体現しています。封建的な考えに固執しているハドソンが、ラスト近く人種差別の問題に直面して戦う場面は、未来に対する希望的な象徴として描かれていますが、果たしてその顛末はどうでしょうか? 特典映像で監督の息子が登場しこの作品について話していますが、その中で印象的なのは、「父の素晴らしいところは、映画を見る観客の知性を尊重し、信じて疑わなかった事です。だからこそ手抜きをしないで何年もの期間をかけてこの作品を作り上げました。」このあたりに、現代のハリウッドの監督にない職人魂を感じます。今の興行成績優先のハリウッド映画って、なんか観客を小馬鹿にしたところってありませんか?
政治色の濃い難解な作品。
アメリカの大手石油会社と中国に石油利権を譲った中東のどこぞの国との間で行われる腹黒い駆け引きと、知らぬ間に危ない橋を渡っていたことに気づくCIA工作員(この役でジョージ・クルーニーはアカデミー賞助演男優賞受賞)。
また、それにより直接的に被害を受ける外国人労働者の現実が複雑に絡む、ノンフィクションに限りなく近いフィクション映画。
知らない単語が沢山出てくるので理解に苦しむが、多少の予備知識があれば会話は理解出来る。
2回目見てストーリーを理解出来たときは、知識が増えて嬉しいのと同時に、アメリカにとっての石油の優先順位ってどんだけだよって感じで、世の中腐っとるなぁと思った。
思っていたより単調でした。
もっとハートフルというか濃いものを望んでいたのですが、
淡々と現実が描かれていました。
マグノリアには遠く及ばない出来だったので、
作らされた感が否めない作品でした。
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