最近あまりSSWものとか聴いてなかったのですが、久々にじんわりくるやつを。
今さらこの人の説明をする必要もない現代を代表するシンガーソングライターの
記念すべき傑作1st。
顔はアレですが、その歌声やいぶし銀のギターなど随所に、キャロルキングなど
古き良き音楽の香りが漂っています。ぶっちゃけ派手さはいっさい無いですし、
ジェシー・ハリスのような華もありません。
が、聴くほどに馴染む、まるで職人が作った鍋とか椅子みたい。
聴くたびにこの曲いいなーとか思うのも、どこか聴き手にゆだねる部分が
あるからなのかもしれません。
弾き語りではないですが、楽器のセットもベーシックな編成で地に足の着いた
フォーキーでまろやかな作品。元々この作品も郵便配達員をしながら作った
というのもなんかストンと落ちてくる感じだわ。
鬼才ミッチェル・フルームのプロデュースったあたりもミソ。
昨年六月のクアトロのソロ・パフォーマンス、舞台に現れたロンにあちこちから「普通の奴だなー。」との声が漏れる。そう、唄い始めるまでは。一度唄い始めるとロンの世界の虜になってしまう。ソロゆえに余計メロディーの美しさが際立つライブであった。 さて今回の新盤もいつもと同じように最初は「うーん、悪くないけど、地味だなー。」という感想であったが、三回四回と聴き続けるうちにドップリとロンの世界にはまってしまった。いつもよりリズミックな曲が多いけれど、「BLUE BOY」の時のような違和感はない。自然に口ずさめる感じ。ただ詞はいつもよりキレがないかな。私生活での乱れがそのままでた一枚というところ。でもトータルではここ何枚かでは一番好きな曲の多いアルバムになった。 某誌が「ダンデライオン・ワイン」をティム・ハーディンになぞらえていたが 言いえて妙。この寂寥感には涙。 結論、普通の男の普通でない一枚。このアルバムの曲はやっぱりバンドで聴いてみたいぞ。今年も来てね。
あまりに洗練されすぎSSW好きにはアルバムとしては好感が持てません。たしかにミラクルは素敵でたまりませんが 過去のアルバムが未完成とも思いません 商業的な方向には絶対になって欲しくない人です。リトリーバーあたりが絶頂アルバムで渋いでしょうか!いつかは例えばジャクソンブラウンのようなソロアコースティックアルバムが出せて決まるアーチストになって欲しいです。アマゾンで値崩れしないアルバムアーチスト!時々値崩れしても素晴らしいアルバムありますが本物より数字の日本ならではですね!ロンセクスミスが作って弾いて聴かせる曲が大好きです!
「懐かしい魔法」か「年寄の魔法」か「老嬢」(oldmaidish)とのひっかけか?ジャケットの意味は良く分からないが、内容は大変素晴らしいものである。これはもうニック・ロウミュージックとしか言いようのない域に達しているように思える。 1曲目アコースティツクで美しい「赤信号の薔薇」は〜昔のやり方で今は切り抜けられない〜人生が続く限りこれからも覚悟を決めるとの決意宣言である。2曲目は軽妙な〜僕はもう61歳〜で始まる「チェック・アウト・タイム」。人生の終わりが近づていることがテーマだが全く重くない。3曲目「家売ります」は『マック・ザ・ナイフ』の「ハート」の雰囲気をもった静かな名曲である。〜相手がいない一人の家は刑務所のようだ、家を売って出て行こう。〜結局人間は最後は一人になるのだという厳しい現実=「老齢の孤独」がテーマだが逆にニック節全開である。4曲目は一息入れて、コミカルなオルガンブギー「繊細な男」。5曲目「本を多く読む」こそは古のスタンダードを髣髴させる本アルバムのハイライトである。〜本の多読は「孤独」「憂鬱」を紛らわすためだ〜との人生の正直な告白だ。1980年ロック・パイル『セカンド・オブ・プレジャー』の「本を書く時」へのアンサー・ソングであるようにも思える。逆に本を書くのは若くて高揚した時期だと。 以下6曲目「この雨は無礼な奴」は渋いカントリー風。7曲目「落ち着かない感じ」はマイアミ・サンバ風の軽快なナンバーだが、まだまだこんな作曲の引出しがあるとは。8曲目「毒入りの薔薇」はコステロ作のバラードだが、さすがに師匠だけあってコステロより歌が上手い。9曲目は相方であるグラント=ワトキンスが前面に出たノリの良いオルガン節「誰かが好いてくれるから」。10曲目はアメリカのシンガー・ソングライター、ジェフ=ウェストのカントリー風「全然僕を分かってない」。他人の曲が3曲続くが全く違和感がない。最後11曲目が英国60年代初頭のジェリー & ザ・ペースメーカーズ風の「本物が現れるまで」で終わる。
歌詞は単純だが滋味があり、音楽同様の深みに達している。これはもう対訳のある日本語版をお勧めする。アメリカ・アマゾンで「年々英国らしさが希薄になる、アメリカ市場に寄り過ぎ。」と「アルバム製作中にドワイト=ヨーカム(モダンカントリー・シンガー・ソングライター、グラミー賞2度受賞)を聴いていたのでは。(=英国人なのにカントリー風はやってくれるなとの意味か?)」との批判がある。比較するに本アルバムは、やはりアメリカのロックとは言い難い。またドワイトもニックほどの表現の深みには達していないと思える。英国ロックの一つの到達として本アルバムを支持したい。
ダイアナ・パントンの歌声って、耳元で囁かれるようなくすぐったさを感じさせる、スィートでキュートな癒し系。
メロディ・ガードの声を明るくラブリィにした感じ? かな。ステージでマイク握って歌っているというより、某ジャズ雑誌やライナーに書かれていたように、そばに寄り添って歌ってくれているような雰囲気です。
この 3rdアルバムは、前作「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」と同じく、彼女のそんなイメージにぴったり合った編曲とバンド演奏で聴かせてくれるジャジー・バラード集。バンドは、前作以上に豪華なのに、彼女に寄り添うように品良く奏でられていて、う〜ん、実に上手い。特にピアノがいい。凄いバンドがバックについたもんです。
最初に聴いたときは「似たようなのが続くなあ」っと思ったものの、なぜだかとても聴きやすい。何度聴いても飽きないのが不思議で、彼女の魅力にどんどん引き込まれていくのが面白く、聴き込むうちにアルバム・タイトルの “Pink” の意味も分かったような気がしました。
恋に落ちた女性が、好きな人の顔を見たり声を聞いたりしただけで、内に秘めた恋心が薄紅色に染まった顔になって表に出てしまう、そんな微妙で繊細で可憐なイメージに溢れたアルバムなんだ、と。まっ、女性に限ったことじゃないですが(笑)。
パントンと同じくカナダのジャズ・シンガー、ダイアナ・クラールは言わずもがな、若手のソフィー・ミルマンのパワフルでパンチの効いたハスキーな歌声も、エミリー・クレア・バーロウの明るくチャーミングな歌声も大好きな私ですが、今日から癒し系のダイアナ・パントンも私のお気に入りの仲間入りです。
追記
本作品が、カナダの2010年ハミルトン音楽賞(Hamilton Music Awards)の 3つの賞にノミネートされ、女性歌手部門とジャズ作品部門で最優秀賞を受賞(2010年11月)。これからの活躍が益々楽しみです。
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