遣唐使の命掛けの渡航と使命感が、ドキュメンタリータッチで描かれていてあっという間に読み終えた。
空海を評価するのはなんだが、ま、この本を評価するということでなら★三つ。
御存知のとおり、空海・弘法大師は平安時代初期の僧。中国より真言密教をもたらした。
本山は高野山金剛峯寺および東寺。
真言宗の言葉というと真言(マントラ)を思い出すわけで、真言は真実の言葉という意で転じて仏の言葉であるという認識である。
さらに、真言は音が重要であることから、翻訳せず音写を用いるとも聞いている。たとえば、光明真言(こうみょうしんごん)なら、
「おん あぼきゃ べいろしゃのう
まかぼだら まに はんどま じんばら
はらばりたや うん」
で、これを7回、繰り返すのだそうだ。
しかしこの本にはそれが書いてあるの訳ではない。書いてあるのは仏陀の言葉(真言)ではなく、空海(解説者)の言葉である。
さ、では私が感心した空海の言葉。
『生れ生れ生れ生れて生(しょう)の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終わりに冥(くら)し』
宝樹山称名院佛向寺の浄土宗とである私は踊念仏とともに「南無阿弥陀仏」と唱えるのみである。簡単。
平安時代に関する本を探していて、「最後の遣唐使」というタイトルだけで購入しました。 すでに唐の文化などを吸収し、日本独自の文化を築いていた当時に、なぜ遣唐使を派遣したかの理由が気になり読みましたが、期待外れでした。 本書は、「続日本後記」と僧・円仁の「入唐求法巡礼行記」を基に、まさに「第十七次遣唐使行程記」とでもいえる内容で、この時期に遣唐使を派遣した論証が脆弱で、物足りません。 副使・小野篁の乗船拒否から解説し、渡航の失敗と唐に着いてからの旅程を追い、九世紀の東アジア情勢を語り、遣唐使の終焉で結んでいます。 当時の社会情勢と朝廷の財政、東アジア情勢などを踏まえ、遣唐使を派遣した理由を知りたい読者には、物足りないかも知れません。
私が本書から新たに仕入れた知識のひとつは、遣唐使船の遭難の理由である。もちろん航海技術が未熟だったせいもあるが、唐の都で行われる元旦朝賀の儀礼に参列するのが原則だったため、航海するのに相応しくない夏に出発しなければならなかったのである。
一方で、道教を日本に持ち込まなかったり、朝廷への影響力を削ぐため鑑真を唐招提寺に囲い込んだりと、当時でも中国文化をふるいにかけて享受していた様が読み取れる。
菅野よう子プロデュース時代を第一幕とするならば、
夕凪ループは第二幕のスタートであり、前作のかぜよみは第二幕の集大成といっていい完成度を誇っていたと思っています。
そして今回のアルバムは多数のアーティスト、プレーヤーが参加し、第三幕のスタート、といった印象です。
まず聞いた印象としてはポップさがより強まったということ。
PVにもなっている「秘密」はさすが押し曲なだけあって、メロディもアレンジも◎で詞の方もこれぞ作詞:坂本真綾という感じでしょうか。
柴田淳さん自身も好きですし、この取り合わせが凄くよかったので今後もちょくちょく参加してくれたらうれしいですね。
他にも「キミノセイ」(スネオヘアー好きなので特に)、「みずうみ」、「ムーンライト」といった曲はかなり好みでした。
「stand up, girls」も好きです。曲調がちょっと古いんですが、可愛らしい詞も相まってこれまたポップ、中毒性あるかもです。
プレーヤー陣も相変わらずのすごい面子な上に、toeの柏倉さんが参加してたりして、とにかく個人的に旨みがたっぷりでした。
とはいえ気になる点も。
かぜよみの完成度の高さは本人も常々言っているように、「カザミドリ」という確固とした核があってこそ。
「カザミドリ」という曲が最終的な帰結点として存在しているから、他の曲にもそれが波及して統一感を演出していたと思います。
今回のリード曲の秘密もリード曲たり得る曲だとは思いますが、上記のような役割を果たしたかどうかはちょっと疑問です。
個々の楽曲単位の完成度は高く、おそらく今後も一つ一つの曲を個別に何度も聴くでしょうが、
アルバム一枚を通して何度も聞くかと聞かれたらちょっと疑問です、まあこれらを「多彩」と判断することも出来るんですが。
個人的には秘密から「ダウンタウン」、「美しい人」の二曲への流れがちょっと不自然に思えたりします。
どちらも、とくに美しい人は単体だとすごく良いんですよね、さすがという感じです。
この二曲の置き所自体、結構難しい気もしますが、なんとなく毛色が違って気になりました。
また最近は特にポップス化が進んでいて、
菅野さん時代のような曲も歌ってほしい、というのはわからないでもないですが、ちょっと難しいかなと。
坂本真綾×菅野よう子という黄金コンビ、そしてあの時期だからこそだと思うのでそれ以外の形での実現は厳しいように感じます。
まあそれでもやってみてほしいという期待は強いですが。
いろいろと気になることはあれど、チャレンジしてくれるのはいいことだと思います。
かぜよみはいわゆる完成形、それまでを総括するようなクライマックス感がありました。
今回のYou can’t catch meはスタート感、まだまだ坂本真綾には先があるんだよ?みたいな期待感でしょうか。
なににしろ、従来のファンなら買って損はないアルバムでしょう。
第三幕(勝手に言ってるだけですが)のスタート、存分に楽しみたいと思います。
|