雰囲気のある文体で筆者自身をもって「清新であること、
残酷であること、美しくあること」に終始したと言う言葉
に恥じない文章と内容だった。
特に「ランゴーニ」のキャラ造詣が良く印象的だった。
登場他キャラを全てにおいて押しつぶして行く様は大変清清しい
話の前後を想像させる構成で、是非続編を読んでみたい
ものです。
ロボット・AI研究者による研究発表は、思っていた以上にSFの世界が現実のものとなっており、驚きの連続であった。
冗談を交えながら一般の人々にも分かりやすい形でプレゼンされており、すんなりと理解できる内容だった。
SF作家による書き下ろしの短編小説は、これだけを読んでも十分面白い。
これが科学者の問いかけに対するアンサー・ノベルとなっているだけでなく、さらに科学者を刺激する内容にもなっている、
という見かたをすると、また違った面白さを感じることができる。
科学者により創造されたものが、作家の想像力を刺激し、その想像がさらに科学者を刺激する。
科学者と作家という異分野の人々が織りなす素晴らしき世界を味わえる稀有な一冊である。
「グラン・ヴァカンス」で、伝説のSF作家から一気に知名度をあげた飛浩隆の、「伝説」たりえた代表的な中篇4編を大幅加筆の上まとめた作品集です。 SFではあるんですが、斬新なアイデアで勝負するといったタイプではなく、SFの文法を使って作者独特の世界を見せてくれる作品です。文体は美しくイメージ喚起力に優れていて、その作品世界は、邪悪なものと聖なるもの、残酷なものと優しいものが混じり合って独特の陶酔感があります。それでいて手触りは冷たくて、物語も理知的にコントロールされている印象を受けます。 4編作品がありますが表題作と「デュオ」がすばらしいです。ごく個人的な感想としては、津原泰水に通じるものを感じます。津原泰水がホラーを通じてやっていることを、飛浩隆はSFを介して行っているというか(同意見なしって感じ…)。
SFは昔好きだったのでまた読みたいけれど、最近離れていたのでどれを読んでよいかわからず、月刊誌は続き物のイメージがあるし・・という状態で躊躇しているところへ、短編読み切りばかり揃えた本があると知って飛びつきました。
「エンゼルフレンチ」が一番好きです。切ない純愛と宇宙を絡めたお話。
「社員たち」は日常と非日常が混じって妙なおかしさがありました。
「ガラスの地球を救え!」、SFファンのお祭りみたいで楽しかったです。
他の作品も、いかにもSFらしい作品を久しぶりに読んだよ、という感じで、全部読んだ後は満足感に浸りました。
NOVA2NOVA 2---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)、NOVA3NOVA 3---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)も購入。まだまだ続くことを期待しています。
SFマガジンでだいたいは読んでいたが、相変わらずの綺麗な文体で
何度目かでも楽しく読めた。書き下ろしも一遍あり良い出来。
次作が期待される。
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