第7編『皆殺し編』までの内容を知っている上でのレビューです。
同人PCノベルゲームとして発表され、謎に満ちたシナリオや、陰陽のギャップの激しさ、見る者を恐怖のどん底に叩き落す演出の凄まじさなどで高い評価を受けていた『ひぐらしのなく頃に』、全8編中"出題編"と呼ばれる第1編から3編を、それぞれに作画担当者と掲載誌と変え、同時進行でコミカライズするという企画がとにかく素晴らしいです。『ひぐらしのなく頃に』の魅力を最大限に活かしきったと言う印象ですね。
今回それぞれの完結編が同時に発売となりましたが、結末を熟知している者が読んでも切なさ、辛さ、恐ろしさを感じさせる衝撃的な内容になっているのは流石としか言い様がありません。出来ることなら頭の中の情報を全てリセットしてもう一度体験してみたい、本気でそんなことを感じさせる程罪作りな作品ですね。
この『鬼隠し編』は第1編であり全体のプロローグ的な位置付けにあるが故、『ひぐらしのなく頃に』の骨格を紹介するという意味で、最もシンプル且つ判りやすい展開と演出がなされています。但し、後書きに書かれている「重要な鍵」の見せ方、隠し方が実に巧妙な上、読者を混迷の闇に叩き落す数々の罠や伏線が張り巡らされており、"出題編"としては極めて秀逸なシナリオと言えますね。
鈴羅木かりん氏の絵柄は他編と比べるとわりとシンプルな線で描かれていますが、だからこそ豹変後のギャップが凄まじい。圭一が追い詰められていく過程の描写やレナの変貌っぷりは、まさしく衝撃のドミノ倒しといった様相で、ビジュアルを得たことによる効果が最大限に発揮されていると感じました。
アニメ版がイマイチ表面だけをなぞっていると言う印象だっただけに、このコミック版の出来の良さは際立っていますね。"解答編"にあたる『罪滅し編』も鈴羅木氏が作画を担当することが決まっていますが、今から楽しみで仕方がありません。
「鬼隠し編」の解答にあたる編です。
「解」からは出題編と大きく異なる展開を迎えます。
鬼隠し編全ての謎が解けるわけではありませんが、大まかな種明かしはされます。
解から明かされていく謎の真相は、人によっては受け入れられないでしょう。
この巻ではレナが何を考えて行動しているかが分かります。
ぽややんとしている様に見えて、レナは日々幸せになるための努力を怠らない。
それがよく表れていたと思います。
絵は「萌え系」と言われている様ですが、特にそんな風には感じませんでした。
ちなみに「萌え」要素と言われているエンジェルモートなどは、
ほぼ原作と同じ展開をなぞっているだけです(というか、原作の方がもっと濃い描写です。)
魅音の水濡れなどは男性向けサービスぽく感じましたが。
今回は圭一の、レナへの気遣いも出ていて良かったです。
まだ崩れた部分はありますが、絵は鬼隠し編より上手くなっていると思います。
この「罪滅し編」はおそらく3〜4巻構成。次巻も楽しみです。
ちなみに、蛆虫や死体などグロテスクな表現が苦手な人は注意してください。
「皆殺し編」までを収録した「ひぐらしのなく頃に解」を読んでみると,「ひぐらし」シリーズの各編は,単独でも楽しめるようになっていながら,全体としてより大きな謎を扱ったなかなか複雑な物語であるということが分りますので,やはり,全部読むしかないということでしょう。
異なるコミック作家で同時進行的に進んでいくという企画も,このシリーズには合っているような気がします。ただ,絵の好みは分かれるでしょう。
その中で,園崎魅音と詩音の双子の姉妹を中心とした「綿流し編」第1巻は,青春小説的で楽しく読めますし,キャラクターの描き方もきれいで個人的には気に入っており,この作家が後半のえぐい話をどう料理してくれるか興味深いところです。
この対比については,「ひぐらし」全体では,背筋の凍るような描写も随所にあるものの,個人的には,これは必ずしもホラー作品ではないように思いますので,「綿流し編」の1巻があまりホラーらしくない点は,そういう部分だと思えばさほど気になりません。
全体として,古典的な本格推理小説のトリックや多重世界もののSFに通じている方や,ケン・グリムウッドの「リプレイ」のような作品を読んだことがある方には,より興味深く読めるのではないかと思います。
今、旬な同人ゲームソフトのドラマCDです。 絵のほうは多少癖がありますが、シナリオの出来は最高っ! そんなゲームをこれまた人気の声優さんたちが演じます。 このメーカーは過去に「秋桜の空に」という作品のドラマCDを出しており、 結構クオリティーが高かったので個人的にも楽しみにしていたります。 はじめて知った方は、発売までの間体験版などでこの世界を体験してみてはどうでしょう?
原作PCゲームのこの作品、私は漫画からこの作品を知りました。 はじめて読んだとき、背筋が震える程恐怖しました。 そしてストーリーの謎などが魅力的で全巻買ってしまいました。
様々な謎に挑むもよし、ストーリーだけを楽しむもよし、と様々な楽しみかたができる作品でもあります。
本当に素晴らしい作品だと思います。原作はしたことありませんがとても素晴らしい作品であることは間違いないでしょう。
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