1960年代は冷戦下であることもあり第3次世界大戦や米ソの緊張を背景に核の脅威を描いた作品が「渚にて」や「博士の異常な愛情」など多数作られる。この作品は第3次世界大戦や米ソの緊張を描いたものではなく、実際に起きた爆撃機の墜落事故を基礎に作ったコメディであるところが異色であり、かなり当時から評価の高いSFだった。TVの映画劇場でもなかなか観ることができなかった作品だけにうれしいDVD化。
航空機事故のためなんでもない島に落下された核爆弾と核物質が格納された金属の箱をめぐる事故機パイロットとホテル開発業者を装った軍の調査団、山羊飼いの夫婦、観光客たちが盛り上げるとんでもない世界は最高に面白い。
軍がホテル業者に装って島の半分を買ったばっかりに貧乏な島に観光客が押し寄せるくだりの隊長役のサム・ワナメーカーの苦々しい顔は最高におかしい(この作品は全編を通して随所で「フッフッ」と笑いが出てしまう)。
キャサリン・ヘップバーン演じるセクシーで自由奔放なエレクトラの何気ない行動が最悪の結末に繋がるというところや必死になって金属の箱を開けようとする山羊飼い夫婦の行動も滑稽で仕方がない。「隠し砦の三悪人」の農民の二人組を意識したのかパンツいっちょのパイロット二人組も最高におかしい。マイケル・カコヤニス監督自身がデザインしたコスチュームやミキス・テオドラキスの音楽、踊り全てがサイケで最高。これらが題名からオチがわかるこの作品のラストをよりショッキングなものにしてくれる。特に福島原発事故の成り行きとこの作品の進行の類似性を考えるともっと恐ろしくなる。そんな、古くて新鮮な核問題を扱った傑作だ。
ところで、このDVDの仕様はかなり問題。特典映像がないのは仕方がないが、映像が奇麗なわけではなく、チャプターの選択ができないのは500円DVD並み。この値段ならもう少し何とかしてほしい。★は作品の評価でDVDの仕様を含めたものではありません。
映画タイタニックでサロン楽団の訳で出ていた実力派サロン楽団イ・サロニスティのデジタル録音。
過去の寄せ集め音源ではなく、オリジナルアルバムです。
非常に繊細で、ほのかに甘美で、心のひだにそっとふれる演奏が持ち味。
他のサロン楽団みたいに歌い過ぎてケバかったり、陽気になりすぎたりしないところが、ヨーロッパ的洗練だと言えそうです。
とくに映画「男と女」の演奏は、原曲よりもはるかに素晴らしく、美しいです。これは五つ星。
この中に好きな映画の曲があれば、ぜひ聴いてみて下さい。心の琴線にそっと触れてくるような演奏です。
たしかに内容は豪華です。
ただそれだけです。
いらないものまで付いています。
単品で買った方がお得では・・・・?
しかし、この値段はありえないでしょう。
誰も買わなかったら、すぐ半額になるので、それまで待つ事をオススメしましょう。
それでも高いですね・・・・
せめて、4万代になったらいいのですが
村上春樹さんが「遠い太鼓」の中で触れている本です。 なんとなく名前は聞いたことがあったし名作だろうし、読んでみたいと思いましたが邦訳が入手しにくそう。 なので、英語の勉強も兼ねて英訳版を読みました。 原作はギリシャ語で、これは英訳版です。
映画版は見ていないので、そちらとの比較は分かりません。
私にとっては少々単語が難しくてしばらく挫折していたのですが、電子辞書を片手になんとか読み終わりました。私にとっては最初からトップスピードで読める本ではなくて、読んでいくうちにだんだん引き込まれる本でした。
女性の見方が古典的でステレオタイプで、女性読者はちょっと読んでいてムカッと来るとくるかもしれませんが(苦笑)、最後まで読めばそうでもないとも思えます。ちなみに、ギリシャの田舎を閉鎖的で無知蒙昧な感じに書き過ぎだとか、発表当時にギリシャ国内で批判されたような話をどこかでちらっと読んだ記憶があります。
最初と印象が変わるかもしれないので、最後まで読んだほうがいいと思います。なかなかしんみりする。人生ってこんな風かもなあと。 しかし主人公はギリシャの都会の富裕層のボンボンという感じがします(笑)。若く理想にあふれていて。
ギリシャの風土の描写が美しかったです。 ちなみに著者ニコス・カザンザキスの実体験が反映されているようなので、ウィキペディアか何かでカザンザキスについてざっとチェックしてみると良いと思います。 読破するための英語レベルとしては、TOEIC800点以上/英検準1級以上は欲しいところかと思います。
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