国内盤を購入。彼女自身の解説の対訳、歌詞付き。ニック・ロウ関係のカヴァーをやってる女の子ってことで、ついついカーレン・カーターを期待してしまうのですがカントリーっぽさがないし声の魅力もいまいち。彼女自身も「ALMOST BLUE」が一番好きというようなことを書いているので我々のイメージするパブ・ロックとは若干認識が違うのかもしれません。ふと入ったライブハウスでこんなバンドが演ってたら、かなり楽しい気分になるのは間違いない。でも音盤として繰り返し聴くかと言うと実際にプレーヤーに載せることは稀です。
レトロっぽく響くロックンロールが満載の作品で、アルバム全体で聴かれるチープなオルガンの音色がたまらない。タイトル曲である4.などで特に強調されるノスタルジックな雰囲気は嫌が応でも古き良き時代という言葉が脳裏をかすめるだろう。ブリンズリーというグループのコンセプトを考えるとこのアルバムが最もそれに相応しく聴き応えがある作品だろうと思う。メキシカンと言うか何と言うか・・まあ8.のタイトルにもあるようにそんな雰囲気もあり、とにかくHOTな作品である。1.はイアン・ゴムの代表作の一つで自身のソロ・アルバムの一作目「サマー・ホリデイ」にて再演している曲である。6.はロック・パイルで再演される曲だが、こちらの方は若干緩めのよりパブ・ロック風の演奏である。英国ロックとは言っても様々なタイプがあり一言で語るのは不可能だが、このアルバムはそんな英国ロックの端っこを良いポジションで保っている傑作アルバムだと思う。また大半の曲がニック・ロウの作品であり、彼のファンならこのアルバムは必聴である。
本作は彼らの3rdと5thの2in1です。
Silver Pistol
それまでのもろアメリカ西海岸風サウンドから徐々に英国バンドらしさが出てきたアルバムで有り、本作よりIan Gommが参加し5人編成となった。英国のThe Bandと呼ばれた彼らだが、本作はThe Bandの"Big Pink"の様にジャケットのメンバーの後ろに写っている邸宅にて録音された。#9には犬の鳴き声が入っていたり、所々で生活のNoiseが聞ける。
本作のセッションと前後してアメリカ人シンガー Jim Fordとロンドン・オリンピックスタジオにてセッションを行っており、本作には#10/11とJimのナンバーを収録。蛇足ながらJim Fordには唯一"Harian Country"と言うアルバムが有り、サザンファンク・カントリー・R&Bがない交ぜになった素晴らしい音を聞かせてくれるらしい。(残念ながら未聴)代表作には、Bobby Womackがカバーした"Harry Hippie" Ron Woodがカバーした"Sweet Baby Mine"(こちらはJim とBobby Womackの共作)が有る。NickさんもJesus Of CoolでJimの36inchをカバーする事となる。
Ian Gommの参加にてNickさんのソングライティングにも磨きが掛かり、美しいカントリーワルツの佳曲#4を物にし#7ではバディ・ホリーの"Words Of Love"のリフを挿入するなど 遊び心が出てきた。
Bandの結束も一段と固まりいぶし銀の如くリラックスした極上のパブロックを聞かせる。
Please Don't Ever Change
パブロック自体 特定の音楽形式を持たなかったが何れのバンドもアメリカ音楽のベーシックな部分と接触する志向性を持っていた。Nick Lowe,Ian Gommを有するBrinsley Schwartzはカントリーロック的なフィーリングを看板にR&B,オールドポップス・ロックンロールからレゲエに至るまで幅広い音楽を独自のアレンジで聴かせる「英国のThe Band」と呼ばれた。
本作は彼らの5作目でDave Edmundsがプロデュースした次作"The New Favourits Of"と並んで彼らの代表作と呼ばれている。
#13 イアン・ゴムの名作でスタート。レゲエの軽快なビートに軽やかに乗る#14 3連ロッカバラードの#15 クリケッツの演奏で英国でヒットした ゴフィン/キング作の#16 前作収録のロカビリーブギナンバーをLive収録した#17 後にRockpileで再演される#18 Nickさん作ラテンナンバーの名曲#20 '73年に「ヒッターズ」の変名でリリースされたレゲエナンバーのカラオケ#22と個々の楽曲のクオリティは高く、雑多な音楽性さえ微笑ましい。
英国ビートグループの伝統を受け継いだ粋なアンサンブルを聴かせる「愛すべき野郎ども」による名盤です!
70年発表の記念すべきブリンズリーの1stアルバム。全曲がニック・ロウの作品 (1.のみロウを含めたメンバーの共作) で、既に優れたソング・ライテングを見せています。いきなりPOCOかよ?と思わせるコーラスが出てきてビックリしますが、元々このグループはウェスト・コースト・サウンドを目指していたらしく、その目論みはかなりいい線いっていると思います。4.なんかは完全にCSNです。そんなわけで全編にウェスト・コースト系のコーラスが聞かれますが、どこかがアメリカ勢とは違うぞ・・・という微妙な違いがあってそこがまた魅力になっています。まだアレンジに???の部分もあり ( 4.は7分超の長尺、7.は10分超だが短い曲がいくつか入っている) 全体に荒削りではありますが、耳に心地が良い音なので、好き嫌いが分かれる音ではないと思います。とりあえずニック・ロウのファンは必聴でしょうね。ちなみにまだイアン・ゴムはいません。(以上1stの説明)
|