これはすごい。
「本の雑誌」で上半期ナンバーワンになった辺りから注目していたが、作者にこれといった印象がなかったので(そういえば乱歩賞で『13階段』てのがあったなあ、くらい)、しばらく様子見していた。
文庫化まで待とうかと思っていたが、我慢しきれず購読。結果、大正解。
できれば年に一冊くらいのペースでこのくらいの内容のものを書いて欲しいものだが、難しいだろうなあ……。
どちらにせよ、新刊が出たら読みたい作家が、また一人増えた。
タイトルに惹かれて購入してみたのだが、思っていたより涙腺が刺激された。 自殺してしまったがために成仏できない四人。成仏するために、七週間で百人の自殺者志願者を救わなければならない。 気軽に読める文章と展開が大きい。なぜなら、自殺を少しでも考えている人でも重い雰囲気で読む必要がないからだ。 たとえばあなたが少しでも自殺を考えているとして、この小説を読めば救われるかもしれない、そんな可能性を秘めている。 物語も、純粋に楽しめる。読んで損はない。かなり涙腺を刺激される。
エンターテイメント色の強い作品の多いフジTVにしては骨太の作品を作ったものだと関心した。死刑制度、えん罪などについて考えさせられる。加害者と被害者家族たちの様々な思惑が交錯し、意外な結末を迎えるサスペンス。 反町は傷害致死により3年間の服役後出所した内向的な青年、服役時に看守だった山崎とえん罪調査の仕事を一緒にすることになる。これまでのイメージを変える押さえた演技が印象的。特筆すべきは宮迫の死刑囚、犯した罪の後悔と執行を待つ心情を見事に演じ、死刑制度の賛否を問いかける。山崎から母親のことを聞かされるシーンでは涙を禁じえない。クドカンがえん罪による死刑囚を演じているが可もなく不可もなく、ミスキャストか?(こんな死刑囚助けたくならない。by山崎)。 CGにたよらない増願寺は撮影所の天井制限のためか少々立体感に欠けるが、不動明王を含めたセットは素晴らしい。ネタばれになるので書かないがご都合主義でリアルでないと感じる部分もある(ストーリー上仕方ないのかも)。 反町と恋人の顛末は評価の分かれるところだが、私は救われた気がした。未来に希望を持てる暖かいシーンだ。タンポポの押し花(生花でないのでわかりにくいかも)も人間の業の深さを改めて実感させる。傑作とはいえないがその心意気や良し、今後の期待も込めて星4とした。
接点の見えない二人の人間が それぞれの住居の風呂場で他殺体で発見されます。
偶然居合わせた詐欺師の八神は、死体を発見すると同時に誰ともわからない男達に追いかけられ逃走をはじめます。
警察の捜査(人事課の剣崎と部下二人、機捜の古寺 )
八神の逃走の二本立ての場面で展開。
事件は謎の人物による連続殺人事件へ発展し、捜査は混迷していきます。
詐欺師である八神は
「生まれてはじめて人の役に立とうと
骨髄の提供者になろうとしている」
ごきげんな場面から登場させ、憎めない性格を印象付けられます。
なんだか、読んでいるこちらまで、善幸を施す立場になったような気分にさせられたところに、遺体発見の場面と誰とも分からない人物達からの追跡をうける場面へと展開し、
「移植患者のためにも早く病院に逃げ込まなくては」
とすっかり感情移入させられて小説に引き込まれてしまいました。
警視庁の捜査も、各部署の刑事たちが、それぞれ自分の信念を通しながら仕事をしている様子が描かれてとても面白く読めます。
詐欺師の八神の明るい性格が反映して、重くならずにさっと読んでいけます。
色々なものが詰め込まれているのに、こんなに早く読みすすめることが出来る小説が出来るなんて、作者の腕には脱帽しました。
とても面白くて途中でやめられませんでした。
作品は二部構成になっていて、前半がタイトルにもなっている「6時間後に君は死ぬ」で、後半が「3時間後に僕は死ぬ」である。リアル感の欠如を指摘する人もいるが、死の予知能力がストーリーを動かす原動力になっているのだから、上手にだまされて、エンターテイメントと割り切って楽しむ作品だと思う。
前半は視聴者に犯人はそいつだと引き付けておきながら最後にどんでん返し。後半は何が死を招くのか謎のままラストに突入する。最後はハッピーエンドで、めでたしめでたし。アンガールズの田中がストーカー役で出演しているが、はまりすぎて笑ってしまう。
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