20120104 [1/2]たね蒔き 「新年一人目のゲストはあの玄侑宗久さん!」
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洋平へ―君の生きた20年と、家族の物語

授かった3人の息子が、
それぞれ様相の異なる障害児だったという佐々木夫妻。
妻の志穂美さんの子育てに奮闘する軽妙なエッセイと、
夫の博之さんの息子への2通の手紙で構成されています。

冒頭の博之さんの手紙はとにかく感動的。
『歩くことさえ無理……。
 ううん、洋平。
 おまえは走るんだ。
 何年かかってもいい。
 何十年かかってもいい。走るんだ。
 どんなに遅くたっていい。
 世界中で一番ビリってことはけっしてない。
 父さんが、必ずおまえのうしろを走ってやる』

この手紙からスタートする20年の家族のドラマは
障害児を持ったこともない私にも
たくさんのことを教えてくれました。

生きるって、それだけですばらしい。
家族って、やっぱりすてき。
毎日の生活のなかに、小さな幸せがいっぱいあること。

小さなことに悩んだり、
人と比べてしまったり……。
そんな自分のありようが
この1冊で少し変わった気がします。







現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

般若心経の現代語訳と解説の本。

仏教に興味があっても、なかなか入門書探しは難しい。特に若い人にとっては文章も古く、共感しにくいものが少なくない。入門するにもその門が狭いということは否定できないだろう。

そこにこの本が出てきました。
お経というものは深い意味を持っていて、それは普遍的な人間の悩みや生き様についての尊い教えが含まれている。

仏教に限らず他の宗教でも色々な派ができている。それら新しい教えに人が集まるのは当然かもしれないが、その陰で変わらずに人の心をとらえてきた、古びない考えがあります。

難しいことの一切ない、広く通りやすい、そして深い門というべき一冊です。



だから死ぬのは怖くない 悔いなき最期を考える (週刊朝日MOOK)

付録で巻末についてある、「エンディングノート」は非常に有益です。
死ぬときに後悔しないために書き置くことがメモできるようになっております。
私もパートナーと一緒に、一つ一つ話し合ったりすることができました。

この本は、「死」というものを考えるにあたって、最初に読むべき基本的な入門書ともいえます。
「死」について考えるとき、是非、まずはこの本をおススメします。
その後、本書の中でも紹介されている、様々な専門書に当たると良いのではないでしょうか。

この本を手に取る人は、
'A.自分の死に直面している人
'B.家族など身近な人の死に直面している人
'C.現時点で「死」に直面しておらず、本屋で見かけたり、人から勧められて読もうとしている人なのではないでしょうか。

'AやBに該当する方々が読むのは必然のこととして、'Cの人にこそ、読んで感銘を受ける本なのではないでしょうか。
日常的生活の中で、「死ぬ」ということを、ごく自然に考えることができると思います。

また、これまで漠然と自分は病院で死ぬのであろうと思ってきましたが、
病院の中で「自分はどうやって死ぬのか」が具体的にイメージできるようになりました。

そのために、今、やるべきことは何なのか?
これから家族と何を話し合っていくべきなのか?

後悔しない死に方、これからの生き様。
苦しみをどう乗り越えるのか。覚悟をどのように身につけるのか。

この本を読めば、
明日からの生活が変わってくるのではないかと思います。



中陰の花 (文春文庫)

 表題作では、色々と不思議なことは経験したこともあるものの、現役僧侶の主人公(と作者)にとっても死というものは何かよく分からない。そのぼんやりした死を正面から見つめて、医者や拝み屋、一般の人々が思い思いの立ち回り方をする。結局、此岸の人間が思い思いに亡くなった人間を思い、コミュニケーションを取っていくしかないようだ。現役僧侶が自分の宗派にとらわれずそのような思いを書いたことで、この作品は評価を受けた。が、他のレビュアーも書いているように、その程度のことは近親者を亡くした経験のある人は、誰でも感じて知っていることだろう。僕は新しい視点を期待したので点は渋くつけたが、敢えてこの作者を擁護するとするなら、その書きぶりが上品だという点である。かくも死を題材に小説を書くということは難しい。

 小説としては、僕は「朝顔の音」の方がデキが良いと思う。ただ、女性、特にこの主人公と同じようにレイプと堕胎を経験した女性がこの本をどのように受け取るのかはよく分からない。もしかしたら不快に思う方もあるかもしれないので僕は判断保留せずにはいられない作品だが、こういう問題は表現の世界から避けて通し隠してしまうのではなく、誰かが題材に取り上げなくてはならないだろう。

 どちらも作者からは遠い視点や境遇を持った人々の死者への思いや祈りが出てくる。完全に知ることはできないそのような思いを敢えて書いた作者の心意気は買う。点数付けに迷うが本当は3.5点を付けたい。本来「生きること」を真摯に説こうとすると、必ず死は避けて通れない論題のはずだ。死んだこともない我々人間が、おこがましくも他人に生や死を説こうとする嫌らしい言葉に溢れた現代では、この作者の控え目さはやはり真摯ではある。



まわりみち極楽論―人生の不安にこたえる (朝日文庫)

他の玄侑さんの著書をまとめて日常的に応用してみよう!という本かなと思いました。
とても読みやすく、テーマごとにわかれているのでどこから読んでも大丈夫です。
内容もうなずけるものばかりで、旅にもっていったんですが何度も何度も読みました。
手に馴染んだころ、旅先の友人にあげたのですが読んで「面白いね。」と言ってもらえました。
仏教に一切興味がないかたも楽しめる本です。
題名が「人生の不安にこたえる 」となっていますが、不安や悩みをかかえてる方だけへの本ではなく万人受けするものでしょう。今手元にないので、また買います〜。



20120104 [1/2]たね蒔き 「新年一人目のゲストはあの玄侑宗久さん!」


2/2 → www.youtube.com 2012年初めての今夜の<たね蒔き>ゲストは、僧侶で芥川賞作家でもある玄侑宗久さんです。玄侑さんはご存知の通り、去年の震災以降、福島の地に住み続けられ、作家として、そして僧侶として、被災地を離れず生きてこられました。 今夜はそんな玄侑さんに先の見えない、苦難が続く、私たち日本人が今後どう生きていったらいいのか?意見を伺います。 また、京大・原子炉実験所の小出裕章さんにも、今年初めての出演をしていただき、私たちに向けての、<年始のメッセージ>を話してもらいます。 ノーカット(wma) p.tl
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