たまにはJazzでもと思いながら、そういうば最近ご無沙汰のミルト・ジャクソンの未聴盤ということで本作他2枚を購入。彼の代表作といえば「Opus De Jazz」ですが、勝るとも劣らないですね。渋くて格好良くて。ジャズが一番ジャズらしかった時代を代表する作品の一つですよね。買って良かった今更ながら・・・。酒が美味いよ。
ドラムとベース以外は全て金管楽器で構成されたテンテットによるファーマー名義の作品です。チューバやフレンチホルンを加えた編成なので、キラキラしたブラスというよりは柔らかいアンサンブルが魅力です。これはいかにもファーマーとゴルソンのチームならではの感じと言えるでしょう。Moaninではセクションで参加しているリー.モーガンにソロを任せていますね。当時如何に彼がセンセーショナルな存在だったかが伺えます。枯葉やモーニンと言った当時話題の曲も録音されていますが、Five Spot After darkやMinor Vampなども収録されており、基本的にはファーマー〜ゴルソンのジャズテットの拡大判と言うことができるでしょう。こういう柔らかいブラスアンサンブルのジャズって最近目にしないので、たまに聴き直すと新鮮です。
アート・ファーマーといえばモダン・ジャズ屈指のトランペッターに数え上げられる実力者だが、クリフォード・ブラウンとマイルス・デイヴィスという二人の天才の間で、苦悩したトランペッターという印象が強い。ブラウンほどのアドリブもデイヴィスほどの革新性も持ち合わせなかったファーマーだが、このアルバムではモード前夜にファンキーでもない独特の調和の取れたジャズを聴かせる。それはベニー・ゴルソンのアレンジの力やビル・エヴァンスの知的なピアノに負うものであろう。それにしてもこのアルバム、マイルスの当時のマイルストーンズなどと比べると興味深い。マイルスをファーマーに、コルトレーンをゴルソンに置き換えた向日葵に対抗する月見草のような存在だといえないだろうか。
Amazonのレヴューの使いまわしシステムがどうなっているのかは知りませんが、 上のレヴュアーさんが書いてあるのは 以前出ていたInteractionとSing Me Softly of the Blues が収録された、いわゆる2in1のディスクのことですよね。 今回の千円盤はInteractionのほうだけですので、このレヴューの使いまわしはおかしなことになってしまっている。(まあ、大騒ぎするほどのことではないですが) レヴュアーにはもとより責任のないことですね。
内容はフルーゲルホーンを吹くアート・ファーマーとジム・ホールの競演で、予想されるとうりソフトな印象のジャズに仕上がっている。上品で良いのだが、少し食い足りない? ★尚、2in 1盤のほうであれば、5つ星にします。 Sing Me Softly Of The Bluesのほうが予定調和を破って、スリリングだからです。
ソニー・クラークのピアノは音が少ないのに、間合いに含蓄がある、とピアニストの野本晴美さんが確か言っていたが、この「クール・ストラッティン」がその典型ではないでっしゃろか?マイルスやキースを聴き慣れた耳には、ぱっと聴いただけやと一般的なハードバップと聞こえるけんど、何度か聴いて居りますとじわじわしたテンポで、特にヘタウマのクラークのピアノのにじみ出るような味わいがええ。トランペットとサックスもうまくこうした意図を支えとるように思います。
本盤は名盤として、少しでも悪く言おうものならジャズが判っとらん、と言われるんやろな。ほんでも、「ブルー・マイナー」は一般レベルのハードバップ違いますやろか。ほんのり憂いを帯びた佳曲ですけどもクラークの味(含蓄)みたいなんは昼間部のピアノソロを含めて、ワテにはさほどは感じられんです。
Sippin' at Bellsは、ハードバップ時代のマイルスバンドの曲のよう。これも普通ですなあ。クラークの味は、やはりブルースがエエんちゃいますか。マクレーンのサックスはマイルスのバンドにいるように伸びやかですなあ。Deep nightはうら寂しいバラード曲。しみじみとして、メロディアスな主題フレーズが印象的な好演で、B面終わりにエエ雰囲気です。
別アルバムからのおまけ追加曲でRoyal flashは、1, 2曲めのクラーク自作曲とはちょっと作風が違い、普通のバップジャズで特徴は薄くトランペットは威勢がよろしいが、これならおまけに入れない方がいい気も。
同じく別アルバムからのスタンダード曲Loverではフロントラインになぜかマイルスバンド風のスピード感があり、それにクラークのカラフルで優雅な味わいのピアノのフレーズが印象的な佳曲です
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