ラストエンペラー オリジナル版 3時間39分 [VHS]
購入してみて「あーやっぱりオリジナルはええなあ〜」と思いました。
DVDで見てる分にはそれなりに良いのですが、オリジナルを見てしまうと「あ!こんなシーンもあったの?」「あ!だから(ストーリーの流れが)こうなってたのか!」というのが多いんです。これはやっぱりオリジナルで見ていただきたい。オリジナルを何回も見ていくと、もうDVDでは物足りなくなってきます。だから私はあえてDVD購入を見送ってビデオを購入しました。なんでこれがDVD出さなかったのか不思議です。オリジナルを見ていると全く別物くらい配慮の細やかさとストーリー・画像の豊かさが見えてきます。
再会の食卓 [DVD]
ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品。数十年ぶりに生き別れた夫と再会することになった妻と、現在の夫。3人が囲む再会の食卓の物語。
現在も大きな溝を抱える中国と台湾の歴史の中で、愛し合いながらも生き別れた男女と、子供を抱え1人中国に残された女を優しく支えてきた新しい夫。彼ら3人がいっしょに食卓を囲み、ぺちゃくちゃとお喋りしながら、料理をつまむ様子は、年齢を重ねた彼らの何か新しい関係を期待させるシーンにも見えます。しかし、ストーリーは、寂しい現実を見せてエンディングを迎え、鑑賞後には何とも言えない物寂しさを感じました。
個人的に違和感を覚えるのは、妻が現在の生活・家族を捨てて、生き別れた夫と台湾にいっしょに帰ることを、あっさり決断しているように見えること。現在の夫は、今までお世話になっていて愛着はあるけど愛情はないといった感じですが、葛藤があまり感じられないため、自己中心的過ぎる印象を受け、あまり感情移入できません。
彼らの新しい関係への期待は、中国と台湾の新しい関係への期待と重なりますが、現実は厳しいですね。全編を通じて、家族とは何なのかを感がさせられ、家族が一緒にいられる時間というのは、とても貴重で大切なものだと感じた映画でした。
クォン・デ―もう一人のラストエンペラー (角川文庫)
ベトナム独立の使命を担い来日し、日本でその生涯を終えた悲運の皇子クォン・デの生涯の話。
クォン・デ自身は祖国ベトナムでは「存在しなかった。語ってはいけない人物」として扱われているという。
私はクォンデ王子を見ると何故か容姿だけでなく、亡命生活の長さ、国家独立を訴えつつも侵略国の圧力を撥ね退けられなかった様は何処かダライラマにも似ていると思う。
ただ、森氏の文体は中々面白いが、日本を「アジア侵略を狙った国」として描いているので、諸所辻褄の合わない所がある。
フランスがベトナムを侵略した際は、ベトナム人に対して人権を与えず主だった自活を防いで資産を持たないよう(資産を持てば義勇団が作れると思う)経済活動までを抑圧した。
ベトナムも韓国と同じように中国に抑圧された国で、中国時代〜フランス植民地時代〜ベトナム戦争と悲惨な歴史を送った来た国だ。
だが、日本の台湾・朝鮮における統治は欧州列強国の人権抑圧的な植民地支配ではなかった。日本は教育・治安維持・街作り等を普及させ、当時としては出来る限りの人権を与えたのだ。
それが証拠に、日本に学ぼうとアジアの様々な国の欧州植民地支配からのがれる為の志を持った革命家達が日本に押し寄せたのだ。
そして読み進めるにつけ、クォンデの優柔不断さ、品のよさと鷹揚さがあだになり革命が上手くいかず、日本の政治結社玄洋社がクォンデを助けても、ベトナムの志士がクォンデをかくまって命からがらの危機をすりぬけでも流されるまま生きる様にいら立ちを感じずにはいられない。森氏は日本はベトナムを見捨てた様な書き方をしているが、日本とてナポレオン三世(五稜郭の戦いはフランスがからんでいた。映画ラスト・サムライ参照)やドイツのビスマルク辺りに下手すれば侵略されかねない危機があったのだ。
この本で唯一誉める点は、インドの中村屋のボーズの話を読む手間が省けた事とテレビ局の裏側が知れたことだろう。
本当の意味でベトナムを地獄に陥れたのは米国支援として参加した韓国軍であり、彼らの蛮行は米国人でも驚くほどであり、現在ベトナム人女性と韓国兵との間に生まれた子らは差別に苦しんでいると言う。
しかし、韓国はこの件に関してベトナムに謝罪すらしていない。参考文献・嫌韓流・反日撃退妄言マニュアル・桜井誠著 p198