冒頭の、近畿商事社長室のシーンから主人公の登場(男気に溢れた履歴書の添書!)、そして回想シーンの昭和20年8月14日、敗戦の決まった日、武装解除命令という特殊任務を帯びて満州国首都ハルピンへ飛び立つシーン・・・カッコよすぎてクラクラします。 が、その主人公の生き様がうーん・・・『沈まぬ太陽』の恩地さんが好きな人なら、その原型として引き込まれると思います。やたら出来た奥さんがいるところも似ています。 大本営参謀で日本有数のエリートにしては、実直な役人みたいな壱岐正。1巻ではまだ、その頭の切れるところとか、戦術に長けたところは出てこず、新入りにしては重役口調でエラソーなおっさんという感じです。これも現代人として読むからでしょうか。 シベリア抑留時代が凄まじく、終戦してすぐ平和になったような錯覚をしてしまいがちな私たち現代人が、忘れてはならない歴史として読むべきだと思います。
17歳の時 50年近く前 突然この格言集に出会った。
私の人生の意味をみつけようとしていたころ出会った年上の女性が使用していた高校の教科書にそれはあった。
すぐに職員室に飛び込み現代国語の先生にその教科書が欲しいとお願いすると この格言集をおしえられた。
死せよ、成れよ! この一事を会得せざる限りは、汝は暗き地上の悲しき客に過ぎず。
あれから半世紀あまり このゲーテの言葉は常に私とともにありました。
ゲーテにはとても感謝しています、その女性にも。
外務省機密漏洩事件、74年東京地裁判決、被告人三木昭子懲役六月執行猶予一年、被告人弓成亮太無罪。驚いた。第三巻ではそこから76年東京高裁判決、弓成被告懲役四月執行猶予一年、国家公務員法111条「そそのかし」行為に該当し逆転有罪。そして最高裁上告棄却の決定。取材手法に違法性、正当な取材を逸脱、「そそのかし」に該当し有罪確定となった。沖縄返還にまつわる密約を国民に伝えようとした記者の取材には意義があり、密約は協定の実態を隠蔽するものであり、本件報道がなければ、永久に国民と国会の討議はなかったことになる。しかし同時に人間として記者として見下げた輩の烙印を押される。公共的使命を扱う報道機関の記者として取材の正道を逸脱、その社会的非難は大きかった。後に毎朝新聞は弓成事件で会社更生に行くはずだ。弓成は尊大で一方的で「そそのかし」は執拗で、囁きと酒で一線を越えても毎日のように電話で執拗に書類を「頼む」の一言、これが毎朝新聞の記者なのだろうか。こんな弓成の為に三木昭子は馬鹿なことをしたものだ。弓成は、三木昭子は当然、その主人琢也氏、弓成の妻由里子、二人の子供、実家の両親、皆に余計な大変な迷惑と損害を与えたことは忘れてはならない。弓成本人は実家の北九州の弓成青果に帰るが、経営はうまくいかず結局九州青果に吸収となる。落ちるまで落ちた。女性事務官の人格の尊厳を著しく蹂躙したこと、何の条件も付けず、親しくもない社進党の横溝議員に対し、部下に電信コピー現物を持たせるなど、これが毎朝記者だろうか。米国の方針は、沖縄返還後も米軍基地機能に支障がないこと、カネは一切出さないことだった。国民は国家機密も知らずに、平和裡に祖国復帰させたことで佐橋元総理はノーベル平和賞を授与された。
どうしても田宮版との比較になり、「役者」のドラマであった前作の方が「演出」のドラマであった今作よりも印象が強いのだと思いますが、私は唐沢財前も素敵だったと思います。第1部では野望に燃えながらもまだ優しげな印象を残す部分があったのですが、第2部では完全に野望魔人と化してしまい、その変貌ぶりが、教授という地位が人間をここまで変えてしまうのかという感じです。ビジュアルも髪型をオールバックにしたのが最高!そして東前任教授の自宅に押しかけ、家の中にいる東をデカい声で糾弾するシーンはある意味ラストよりも更に印象的です。私は小説をしかも旧版を擦りきれるくらい読んでいた「巨塔」ファンですし、もちろん財前五郎=田宮二郎だったのですが、その巨大かつ強烈なイメージに挑んだ唐沢寿明も新しい財前五郎を魅せてくれて非常に印象深いものがありました。この人、あの張りのある声がいいのかな。第2部の財前の数々のキツいセリフを表現するにぴったりの声です。キャストでは関口・国平両弁護士がナイスキャストだったと思います。特に関口は原作と大きく違う最初のヤサグレ感がかえってよかったと思います。国平のいかにも硬質で切れ者なイメージもかっこいいです。及川光博が演じると聞いたとき、最初は’~??’だったのですが、及川さんに対するイメージが大きく変わった感じです。あと、ドラマ全体を彩る巨匠加古隆のBGMがすばらしい!中でも、要所要所で響く「事件」は’来た来た~っ!!’という感じになってアドレナリンが過剰に分泌されます。テレビ放映が終わってからというもの、未だに車の中でサントラと「タンホイザー」=この野望系な選曲がまた絶妙でした。三嶋や由紀夫やヒトラーが好んで聴いたらしい=を折に触れ聴いています。第1部と併せてぜひ全巻買ってください。値は多少張りますがおつりが十分くるだけの価値がありますよ!
私もこの番組を見てビデオを購入、原作を読み、そしてついにDVDを購入するに至った一人です。 価格設定はやはり高いと思います。けれども内容がそれを上回って素晴らしいのでやはり☆5つを進呈いたします。 私は原作にもっともっと忠実であって欲しかった。一番の違いは、陸一心に嫉妬心を抱き、彼を陥れようとする陸一心の元恋人の夫の役、馮長幸の設定です。原作では彼はただの嫉妬心から一心を陥れようとするのに、このドラマでは「父が日本人に殺されたので、日本人である一心の昇進が憎かった。出会いが悪かったんだ」と馮長幸に言わせているところです。このドラマを創るに当たって、馮長幸の役をやりたがる人が誰もいなかったとか。この経緯は山崎豊子さんの「『大地の子』と私」に詳しく書いてあります。日本の非、中国の非を互いに認め合って勇気をもって告白しあうことが、日中友好のドラマになるのではないでしょうか。未だにこのドラマが中国内で放送されないことが悔しいです。中国の方々の、また国境を超えて普遍の親子の大きな愛の物語だと私は思います。
|