この本を書くためにジャーナリストになった、という田原氏の魂の入った宣伝文句を見て、それなら、と読んでみた。
2000年にでた日本の戦争―なぜ、戦いに踏み切ったか?のダイジェスト版だが、懇切丁寧な脚注がはいっていて、小学校高学年から中学生あたりまで読者対象を広げようとしているのがよくわかる。たとえば「侵略戦争=軍隊の力で攻め入って、よその国の領土をうばい取ったりするための戦争」(p42)という具合である。
田原氏の根本テーマは、「なぜ負けるとわかっていた太平洋戦争を日本は戦ったのか」という一点につきる。その原因を探るため、明治維新から日清戦争、日露戦争、韓国併合、第一次大戦、満洲事変、日中戦争、第二次大戦、太平洋戦争へといたる80年の歴史の流れをたどっていく。
確かに、日清戦争から日中戦争までは、わりとわかりやすく原因と結果がつながって「物語」になっており、それなりに理解は進む。しかし、肝心の「なぜアメリカとの戦争に踏み切ったのか」については、政府や軍の要職者が開戦への過程で何をしたのか、何を言ったのか、については微細に記述されているが、やはり「なぜ」は、漠としてよくわからない。猪瀬直樹は空気と戦争 (文春新書)のなかで、「意思決定のプロセスにおける(官僚の)自己責任の放棄が日米戦を呼び込んだのではないか」,168と書いているが、要するにそういうことなのかもしれない。
内田樹は街場のアメリカ論 NTT出版ライブラリーレゾナント017のなかで、「歴史において、原因と結果の関係はうまく説明できない。だからこそ、そこをうまくつなげる工夫をすることが歴史を理解することにつながる」という趣旨のことを言っている。つまり、太平洋戦争がなぜ起こったのか、負けるとわかっている戦争をなぜしたのか、は、人の意見を読んで取捨選択するのではなく、自分で考えるしかない、ということであろう。反省。
なお、田原氏は問題が多いとされているアイリス・チャンのザ・レイプ・オブ・南京―第二次世界大戦の忘れられたホロコーストを批判もなく南京事件の証拠の一つとして採用している(p180)が、このあたりはいただけない。また、広島への原爆投下についてキッシンジャーに「戦争犯罪ではないのか?」と問うた際、キッシンジャーから「ではソ連に攻め込まれて、日本が分断国家になっても良かったのか」と反論されて黙ってしまった、とある(p297)が、これもいただけない。アメリカの理屈はどうあれ、それを認めるということは田原氏自身が「自国民に対して」原爆投下の判断を行う、ということと同じだからだ。
やや長くなってしまった。いずれにせよ、内田樹氏の勧めに従い、自分で「原因」を考えてみることをはじめてみたい。
安さにつられて購入しました。
歴史も本もあまり好きではないのですが、
スラスラと読めました。
詳しい人にはもの足りないかもしれませんが、
自分には程よい内容です。
先生っぽい記述や意見も、
自分が考えるきっかけになって
好感がもてました。
「二百三高地」で当時の戦争にはまだその名残があったって描かれてましたっけ。この映画でも艦長同士がお互いを讃える会話をしており、ジ〜〜〜ンとさせられますが当時東洋の黄色い猿と呼ばれていた日本人に対してあのようなセリフを言えたのかなぁ?内心は「何で世界最強のバルチック艦隊がこんな猿共のいかだボートに負けにゃならんのや(怒)!」と、思っていたのではないかと勝手に想像したりしてしまいました(笑)。見せ場の海戦シーンですがミニチュアによる撮影にしてはなかなか迫力があり、艦砲射撃による火薬の吹き具合や波しぶき、詳細に作り込まれた船体から察するにかなり大きかったのではないかと思われます。音響効果のデジタル5.1は録音のされ直しはされてないようで、オリジナルの音声を利用した擬似5.1感はいがめずクリアさや低音などやや迫力不足を感じました…。
本書を読むと、日露戦争の遠因は1900年の北進事変にある。 北進事変の解決のために清国に出兵した列強10か国のうち、事変解決後他の国がすでに清国から引き揚げた後もなにかと言いがかりをつけロシアは清国内に勢力を拡大していた。 ロシアが清国・韓国に居座って我が国を脅かすようでは困る。日露は長い交渉を経たが、ロシア側はその帝国主義的拡大路線を変更することなく、その主張は益々エスカレート、満州全域と39度以北の朝鮮を自己の勢力範囲とすると言うことを日本に対する最期通牒とした。 ここに到って、日本は当時英国と結んでいた日英同盟を背景に対ロ外交断絶するに至ったのである。 開戦後の戦況については本書で詳しく述べられている。詳しすぎて頭にはいらないくらいである。 私が本書を読んで感じるのは,朝鮮こそ清国やロシアの進出から守るべき日本にとっての最後の砦であったということだ。 日清戦争前は朝鮮は清国の属国であった。日露戦争なかりせば、朝鮮はロシアの属国たる地位に甘んじなければならなかったろう。 第二次大戦後、韓国は独立し、その国是は対日報復であるらしい。しかし、私に言わせればそれは、お門違いというものだ。 日清、日露戦争、第二次世界大戦を通じてようやく韓国は独立国として認められた。日本のおかげで、なんとか今日の地位を築いているのであって、何かと言えば、竹島問題も慰安婦問題も日本の歴史認識の間違いだと主張する韓国こそ、よく歴史を学んでもらいたいものである。
おおまかな流れは、時間軸に沿って有名な事件や出来事がピックアップされ、
それについての実写フィルムを使用しながらタイトルごとに4分から6分程度の解説が繰り返されます。
それが1巻あたり10タイトルほどあり、詳しさよりも網羅性が重視されていました。
誰もが知っている悲惨な出来事をなぜ起こってどうなったのか、
また、歴史の教科書には載っていないような歴史的な発明や出来事についても触れられています。
日本語音声解説でわかりやすく、予想外に面白いので一気に全巻見きってしましました。
私は値段があまりにも安いので期待せずに購入しましたが、良い意味で裏切られました。
もちろん本家「映像の世紀」には及びませんが、十分に見る価値のある作品だと思います。
私の感覚ですが10巻で10000円払ったとしても満足していたでしょう。
このクオリティでいったいどうやって定価4980円に抑えたのかが不思議なくらいです。
とにかくオススメです。
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