「午前3時の~」とは異なるアクション色豊かな作品。映画ファイトクラブとガンアクションの合体。やや、荒唐無稽だが、かなり面白い!是非、読んで欲しい。表紙の写真もイケてる。続編に期待したい。
前作「ラティーノ・ラティーノ」で舞台となるブラジルとコロンビアに
実際行かれて取材されてることには敬服しますし、出来上がった「ワイルドソウル」も素晴らしかったです。
ただ実際行かれたにもかかわらず、作品中に出てくるスペイン語に(きっとポルトガル語も)あんまりな間違いが
いくつか出てくるのが悲しいです。そのくらいちゃんと調べて欲しいし、幻冬社の編集さんにも猛省求む。
元ネタとしておいしく使い倒した移民の話しも、日本でのコロンビアマフィアの話しも
その重さを作品に利用してるだけで、細かい嘘や誇張も多い。娯楽小説にこんなこと言われても作者は心外でしょうが。馳星周がどこかで推薦していたので読んだのですが、さもありなんと思いました。
とにかく楽しめる事は請け合います。ただ重い事実を商品として美味しく利用するに当たって、脇が甘すぎるのが難点。
あまりレビューの評価(文庫版)がよくなかったので、あまり期待していませんでしたが、前2作を買って読んだ方にはお勧めです。 正直、1作目ほどの感動はないですが、シリーズものとして素直に読めば、価格分楽しめると言ってよいかと思います。
ブラジル移民の1世は、大変な苦労をされたんですね。 過去のと言っても、私(50代)の祖父の世代の方々なんですよね。 昔の人は偉いと思った。
日本政府の駄政策により、だまされるようにアマゾン棄民となり、
絶望と苦悶の末に死に絶えた親兄弟、仲間達。
過去にやり直しは利かないが、あれほどの地獄を忘ることなどできるだろうか?
彼らの復讐心に息が詰まるかのような切迫感と何にも換えがたい目的意識が見える。
それは私達読者を圧倒する説得力と魅力だ。
ケイはこのテの作品に登場するキャラクターとしてはおそろしくキャラ立ちしており、
その一挙手一投足が楽しく読める。彼の陽性ぶり、その軽い言動、ブラジリアンとしての
すべては軽薄で浅慮にみえる。
そんなケイの中でどれほどの情念がたぎっているのだろう?
想像しながら読んでみてほしい。
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