コンプリートボックスは3巻全て持っていますが、なかなか迫力があり観ていてワクワクしました。唯一つだけ難点を言うと、使われているSE【効果音】が貧弱で、少し頼りなかったです。沈黙の艦隊のSEだったら言う事なかったのですが。その意味で★★★★です。
1983年、「週刊現代」に連載された鯱シリーズ第五弾。
日本の警察・検事に対して脅迫電話が掛かってくる。殺人事件で留置中や公判中の犯人を釈放もしくは無罪にしろと無謀な要求を突きつけてきた。その要求が守れなかった場合、脅迫者が名指しした司法関係者が必ず殺されてしまう。そしてさらには汚職事件を起こした前首相を無罪にしろと脅迫電話があった。自分の命を脅かされた裁判官、検事などに辞職者が続出する。このままでは日本の司法は壊死してしまう。仙石文蔵ら超人四人組は正体不明の脅迫者を突き止めるべく行動を開始するが、悪魔<デビル>と名付けられた脅迫者は今度はソ連、アメリカをも脅迫し始める。
物語のプロット的にはシリーズ二作目「黒い鯱」の踏襲である。不気味な能力を駆使する脅迫者が現れ、それに立ち向かう超人グループ。しかし、今回はなかなか敵の尻尾を掴めない。今回の敵はかなり得体の知れない存在だ。闘いの舞台は、なんと時空を超越した世界となる。作者西村寿行が持つ北方領土を奪ったソ連への憎悪。本作はその思いを反映したのか、驚く展開も用意されている。
「紺碧の艦隊」以来久しぶりに荒巻氏の作品を読んだが、地政学的見地からのシミュレーションは健在だった。マクロ的視点での歴史或いは国家・民族についての考察はともすれば新兵器のオンパレードで終始するこの手の小説の中にあって、なかなか読むに値する考えだと思う。大局的な国家戦略を持ってしたたかに列強の中を生きていく作品中の日本の何と頼もしいことか。ヴィジョンもへったくれもなく目先の利益や党内抗争に囚われて右往左往する今の政治家が本当に情けなくなる。講談調の文体も健在、小気味よいが、後半バトル オブ ブリテンのころから内容がやや荒くなって尻つぼみの印象があるのが残念だ。 ただ、敢えて苦言を言えば、お得意の「歴史を操る秘密結社」やサイキックパワーなどのオカルトチックな絵空事や奇想兵器(まるで「サクラ大戦」みたい)のオンパレードは骨太な地政学的考察とは余りにも乖離しているようで、作品自体を陳腐化している危険性もある。まあそのミスマッチ感も荒巻氏の売りではあるのだが。
第2次大戦後、欧州では国境を越えた国家間の経済統合が進み、ついには通貨統合に至った。 しかし、アジアに目を向けると統合どころか、戦犯国・日本は隣国との付き合いさえ、ままならないのはなぜだろうか? ドイツ、イタリアは日本と同じ戦犯国である。 アジアが一つになると不利益をこうむるのは誰なのか? 何ゆえ歴代の総理は靖国神社に参拝するのか? アジアが内輪揉め状態となるように何かの力が働き続けているのではないか・・・そう考えながら読むとこの小説は空恐ろしい。
漫画・原作小説をご存知の人なら確実にハマるゲームです。ただ昔のゲームなのでリアリティーが物足りないです。
|