現代科学はあまりにも技術的になってしまって、専門家以外には手におえないものになってしまっているが、本書は一般読者にも理解を促すよう図を交えながら数式を使わずに書かれておりわかり易い。 知を多くの人に還元しようとするホーキング氏の姿勢は多いに評価したい。必要以上の単純化を行うという一般向け書物にありがちな愚に陥らなかった点もバランスが取れていて素晴らしい。
この物語には夢があります。
しかも、ホーキング博士の科学的根拠に基づいた話なので、非常に勉強になります。
内容的には小学生の高学年程度から理解できるのではないかと思います。
大人が読んでも、小中学生の頃に学んだ忘れかけている天文学の知識を思い出すことができます。
非常に参考になるのではないかと思います。
したがって、子供から大人までが楽しめる良書だと思います。
その様に考えれば、書籍として若干高めの値段設定も非常に納得です。
また、途中に宇宙の様々な星のカラー写真や、天文学の解説も多くあるので、失っていた子供の頃の星に関する感動が蘇って来ます。
一ページあたりの字数は少ないので、さらっと読み終えてしまいます。
「M理論はアインシュタインが夢見ていた統一理論です。単なる素粒子の集まりである私たち人間が、私たちと宇宙を支配する法則の理解にここまで近づいていることは偉大な勝利です」。
ホーキングの"The Grand Design"の日本語版。米国サイトで話題になっていたので、邦訳版が出るのを楽しみにしていた。古典物理と量子物理の基本的な概念をおさらいした上で、宇宙の成り立ちに関する現代物理の最新理論を紹介している。
ある程度の前提知識がある人向けになるが、確固とした宇宙観に基づいてポイントが整理されているので読みやすい。また、適度にユーモアを交えたりして、読者の興味を最後まで切らないように考慮された構成になっている。特に、宇宙の起源を量子論に基づいて順に解説している部分の展開は巧みで、大変面白く読めた。ただし、著者独自の斬新な理論が披露されているというわけではない。
本書のもうひとつの特徴として、宗教が示す創造論や哲学に対しての著者の見解が示されている点が挙げられる。「宇宙を生成して発展させるのに神に訴える必要はないのです」と断言し、哲学にいたっては「現代の科学の進歩、特に物理学の進歩についていくことができなくなっています」と、なかなか手厳しい。
印刷は良質。説明用として様々なカラー写真があちこちに入っている。日本語の文章として自然に読んで理解できるので、翻訳にも特に問題は感じない。
近い将来、太陽系外の惑星で生命探査が行われたら、という『もしも』を、
科学的考証を踏まえてドキュメンタリー風に映像化した作品。
この作品の特色のひとつに、映画監督のジョージ・ルーカス氏が制作に参加していることがあげられる。
その影響か、全体が一つのストーリーにまとめられていて、
同じシリーズの『Cosmic Safari』と比べてSF映画的な鑑賞に向いているように思われる。
また、科学考証の解説を行う専門家のなかには、S.ホーキング博士やM.カク博士のような、
著名な科学者も含まれる。
『Cosmic Safari』とは作品の性格が異なるため安易な比較は出来ないが、
作品終盤でのコメントにもあるような「科学とSFとの融合」を意識して制作された作品のように感じられる。
教養番組的な要素の強い作品に抵抗を感じる向きにはこちらをお勧めしたい。
先端的なことを書いてあるのだが、説明があまりない。物語や図を見てもよくわからない。前提知識を要求している点で子供向きではない。 読者の知識レベルを間違えた、中途半端な本という感じがした。
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