坂本龍馬の死に意気消沈する南方仁であったが、橘恭太郎とその母や新門辰五郎、伊庭八郎、近藤勇、沖田総司、松本良順、野風ら周辺の人物の出処進退や最期に刺激を受けながら、次第に生きる気力を取り戻していく。仁の動静よりも、これら魅力的な登場人物の動静が大変読ませる一巻であった。また、現実の歴史情勢(徳川慶喜の逆転→江戸薩摩藩邸焼き討ち→討薩の表→鳥羽伏見の戦い→「錦旗」の登場→江戸城無血開城→彰義隊)との連動や交錯も見事。
遅まきながら、漸く最終巻を本日読了。全ての環がつながり、そこに見えてきたものは・・・
「そしてもうひとつは心臓移植などをされた患者に本人のものでない記憶の転移や人格や特性の変化さえも現れたという症例だ (1988年心肺同時移植手術を受けたクレア・シルヴィアという女性が手術前と手術後で自分の嗜好・性格がドナーに近いものになっていたことなど、複数の事例が報告されている。) 科学的には未解明だがこれには細胞記憶理論や組織記憶理論ほか神経ペプチド様伝達物質の介在などが推察されている つまり・・・龍馬の体内の何らかの神経ペプチド様伝達物質が眼球を通じてわたしの体内に入り込み わたしの脳に龍馬の記憶や人格が転移されてしまったとしたら・・・」(235〜236頁)
作者も幕末史や江戸の社会と文化、医史そして医学について相当勉強されたのでしょう。本当に読み応えのある二十巻でした。(なお、本巻の画ですが、これまでにも増して丁寧かつ細密な描きぶりであるように思いました。)
私にとっては、手塚治虫氏の『陽だまりの樹』以来の傑作医療時代漫画との邂逅でした。自信をもってお薦めします。
「JIN」の作者の作品が気になり、1巻完結なので購入しました。 読み応えのある作品だと思います!
TBSドラマ −仁−を見てあらすじが知りたくて、16巻の大人買いです。ドラマはいろんな制約から原作と違っているのでちょっと別物って感じになってますね。でもドラマを見たせいで、綾瀬はるか さんのファンになりました。コミックの中ではドラマよりも仁と咲ちゃんは、もっと親密なので是非読んでくださいな。
各チャプター毎に主人公が居る訳ですが、凡そ各章ともに、 山にかける情熱とその裏腹に潜む事故死というモチーフで構成されています。 一話一話が短いためにストーリー展開や各種の設定がやや表面的かなという点は残念ですが、 それなりに読み物としては面白く、区切りが良い所までさっと読めてしまうのは良かったです。
内容とは異なりますが、この本は文庫版ですが「神々の山嶺(文庫版)」に比べると 文字が少し大きめになっている様ですので、文庫版でも普通に読めたと相棒が言っていました。
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