炎の蜃気楼シリーズのファンなら、誰でも満足のいく商品だと思います。
この『暁の娘アリエラ』は上下完結ですが、主人公アリエラの親や兄弟などが主役になっている別シリーズ『女戦士エフェラ&ジリオラ』や『青い髪のシリーン』との関連もあるので、いきなりこの『暁の娘アリエラ』を読み始めると、世界観や人物関係がややこしくてイマイチ理解できない部分もある…かもしれません。別シリーズを読んでいると、いっそう楽しめると思います。
上下完結なのに、ラストはこれからアリエラが動き出す、というところで終わっているので、少し物足りない感じもしますが…登場人物が個性豊かで、私はそこだけでも結構楽しめました。(クライン公子とシリーンが好きですv)別シリーズでの続きが気になる、という感じです。
全体を通じて換生という重い事実が景虎を 苦しめます。宿体の記憶がよみがえり、 景虎の性格にまで影響が現れ・・。 本編でも、換生ということに、常に苦しんで いる景虎ですが、邂逅編では特に、 そういった面が丹念に描かれています。 もうひとつ、邂逅編の特徴として、戦場の苦しみ、 というのがあるように思いました。 中世の奴隷貿易については、実際の日本史研究でも 事実の解明が進んでいますが、こうした戦場の 厳しい事実は、支配者として生きていた景虎にとって、 換生した現在、重くのしかかっているように感じます。 邂逅編に見られる苦悩に、次の本編ラストでどう答えを出すのか、 とても気になるところです。
つい先日Cobalt本誌で読んだばかりと思っていた、氷雪問答の文庫本です。
書き下ろしで、「傾奇恋情」が収録されています。
「氷雪問答」の方は、ちょっと和やかちっくな内容でした。景虎様が活躍しています。その一方で直江はちょっとイタタタ?
「傾奇恋情」は、長秀が主役の話でした。一向に夜叉衆達に馴染まない長秀ですけど、その飄々とした生き様の中にある、真の武将を貫く姿は、カッコイイと思いました。
ちなみに直江は出番無しでした;;
本に挟まっている乙女ちっく通信にも、嬉しい情報が!
ぜひ、手にとってみて下さい。
コバルトに掲載された短編3つ+描き下ろし中編(仕返換生後編)という構成です。
描きおろし中編が秀逸です。
どちらかというとキャラや出来事を描く方に重点が置かれていた再開・邂逅編ですが、これは違います。
人物を描く方にぐっと力点が移ってきたという風に感じました。
景虎様と直江、互いへの想いが輪郭をもちはじめてきた、という印象です。
萌うんぬんを別にしても、作者様が込めたメッセージや本編へのつながりを考えると、胸が締め付けられる思いです。
またミラが一層好きになりました。
まだまだ熱いです。
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