今までこれ程、「生と死」について考えさせられる作品があっただろうか。テーマは「尊厳死」について。おそらく多くの人にとっておよそ関わりの無い言葉で、俄かには実感がわかないと思う。しかし、この作品は人の尊厳と生と死と、誰もが人生で一度は考え、また直視したくない問題について真正面から向かっている良作だと思います。
自分を生かしてくれている周りの人々への愛情。その一方で、家族にこれ以上の迷惑はかけたくないという思いと尊厳を保ち、人としてありたいと願う心。この二つが真正面からぶつかり、葛藤し、それでもなお人でありたいと願い尊厳死に向かう主人公。そんな彼を支える義姉に、尊厳死は自殺として反発する兄。息子が死を望むことを悲しむ父に、考えることをせず、流れに身を任し元気いっぱいの甥。こうした登場人物を中心に、同じような境遇の女性弁護士、人生に疲れた二児の母、尊厳死を支持しまだ初々しさの残る夫婦が物語を綴っていく。
見所は人によると思うが、生を選んだ女性弁護士と死を選んだ主人公。生の象徴である赤ちゃんと死の象徴である主人公。こうした生と死のコントラストが浮き彫りにされていて、人それぞれ様々な印象を受け、考えることと思います。自分がどのように感じ、考えるか、少しでも興味があるのなら、ぜひ見てみてください!!
「ELLE」の元編集長であったという華やかな面を抑制して描くことで、ともすれば下世話になりそうな話が質の高い作品に仕上がっています。「潜水服は蝶の夢を見る」という題名は、以前なにかの番組で見た「閉じこめ症候群」を潜水服になぞらえているのだと見る前に予想していたのですが、それになぜ「蝶の夢を見る」と続けているのかが作中で明らかになった時、思わず胸にぐっとくるものがありました。
「死」をあらゆる立ち場の目線から穏やかつ真摯に描いた作品。
四肢障害で寝たきりのラモンは見た目は可哀想かもしれないが、理解ある家族、
協力者にも囲まれて幸せなんじゃないか、そのまま生きていってもいいじゃない
かと思ったが、彼が望んだのは四肢の自由ではなく、心の自由(開放)だったのかと。
多くの人が毎日訪れ楽しそうであるも、会いたくない時そこから逃げられない。
人に見せたくない気持ちも物も自力では隠せない。
そんなラモンが一人の時思い描く、空を飛び森を抜け海に出る妄想は美しくも切ない。
温かい家族にもそれぞれ未来があり、年を取り、生活していかなければいけない。
それを何もできず寝たきりで見つめ続けるラモンの辛さ。
逆に彼を愛しているけど正直疲れ切っている家族の辛さも痛く伝わってくる。
『尊厳死は自殺とは違う』それをしっかり見せつけようと確固たる覚悟を持ち用意周到に事を
進めるラモンの必死な姿を見て、それは決して安易で容易なことではないと思い知らされた。
しかしながら、スペイン映画だけあって暗く重たいだけの内容になっていないのがお見事。
廉価でこういう「つまみ食い」「お勉強」を売る企画は、30年以上むかしから存在した。LPの時代であるから、ちょっと用事で中座して戻ると、もう「いま、いったいどの曲なんだあ!」という目に遭った(笑)。だいたいにおいてレコード店でお得意さんにタダで配っていたが、当時のCBS/ソニーだけは、ばっちり500円で売っていた。店頭にないときは注文せよというので現金封筒に100円玉を5枚入れて本社に送った。結論から言うと、とにかくレコードは来なかった。督促すること4回目くらいに現金封筒の送付証明の部分をコピーして送ったら返信がきた。封筒をあけると500円玉が1枚転がり出てきた。文書はなにも無かった。それ以来わたしはその会社のレコードをこの30年間、なるべく買わないようにしている。
本題にはいる。こうしたディスクは買わないほうが良い。全曲入ったCDを1枚、また1枚と、もとめるべきだと思う。声楽はオペラに直結するから、2枚組や4枚組になることもしばしばだ。それでも、サワリばっかりきいているより遙かに理解にせまれる。
で、レビューの題名にした件ですが「99+1=100」という数学からわたしが直感したのは「FLORENCE FOSTER JENKINS を使う気だ」ということである。彼女はトラック13の「鐘の歌」とトラック36の「夜の女王のアリア」をこよなく愛していた。これ以上は、わからない。彼女の録音は国内盤でも外盤でも健在であるが、国内盤においてはあろうことか上記の2曲が入っていない。
ひさしぶりに彼女の「鐘の歌」でも聴こうかな。
初心者ですが歌曲や宗教曲も聴きたかったのでレビューを参考に購入。
私が初心者だからか、曲の並びのせいか、F.in/outナシだとこんなものなのか、何となくコマ切れ感と短さを感じますが全体的に満足。
朝も晩も勉強時も心地よく聴いてます。
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