聴く世代を問わず共感を得られる名曲、 オサリバンの「アローン・アゲイン」はまさにその代表曲の1つであろう。 同曲は現在放映中のTBS系ドラマ『ホームドラマ!』の主題歌でもある。 また、アローン・アゲイン以上にイギリス本国でヒットした「クレア」も、 同ドラマの挿入歌として使われている。 どちらの曲もメロディが心地良く、癒し系ポップスの王道である。 他にも、近年CMで使われた曲としては「メイク・マイ・デイ」や 「テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ」などがあり、 更に「ナッシング・ライムド」や「ゲット・ダウン」などのヒット曲もあり、 内容的には間違いなく盛りだくさんの1枚であろう。 かつてオサリバンを聴いていた人達にも、70~80年代の有名な ポップ・ミュージックを押さえておきたい人達にもオススメである。
ギルバート・オサリバンの人気の根強さは、彼の「澄み切った声」と「澄み切ったメロディー」による部分が大きい。特にアイルランド出身である彼が作る旋律は“アメリカンポップスの陽気さ”“ブリティッシュポップスの濃さ”とは確実に違う、独特の浮遊感が漂う繊細さがどの曲にも生きており、“Light & Smooth”という言葉が良く似合う。「クレア」を初めて聴いた時「音階というものは世界共通なのに、なぜこの人はこのようなメロディーを生み出せるのだ?」と不思議でならなかった。また彼の声質も非常に繊細さを感じさせ、マイケル・フランクスのような脆さ・危うさとは違う、清流のような清らかさを感じる。これらをみても彼を「世界を代表するポップ・アーティスト」と言っても言いすぎではない。ただ、同じ代表格であるポール・マッカートニーやエルトン・ジョンらとの決定的な違いは“サウンドの幅”だ。ミュージシャンとしての曲種の幅は、残念ながら彼らに比べると「狭い」と言わざるを得ない。しかし世界的ヒットとなった「アローン・アゲイン」「クレア」のメロディーの美しさや完成度は、もうそれを超える曲を作ろうとする必要すらないほどの仕上がりであり、聴くたびに彼の偉大さ痛感する。昨今の多様化した音楽は「旋律の美しさ」を置き忘れてしまった「雑音」のような印象を受けるが、例えば雑踏の中でそのような雑音飛び交う中をかいくぐって家に帰った時、または1日の仕事が終って帰宅した時にもしオサリバンの音楽を聴いたなら、間違いなく心は癒され解放されるだろう。彼の旋律の美しさはそれくらい心に染み入ってくる見事さだ。
「花〜Scenery with Floews〜 (DVD版)」のブルーレイ化作品で、内容は同じですが、高画質で楽しめるようになっています。
V-Musicシリーズの基本的なコンセプトが、音楽に映像を当ててBGVとして楽しめるようにしようというものなので、それ以上のものを期待してはいけません。図鑑的な情報はタイトル画面とポップアップメニューにしかなく、撮影地に関する情報もわずかですから。主役は音楽と考えたほうが良いでしょう。
もちろん、こういったコンセプトを理解した上であれば、いまのところ(2008年現在)、桜専門の作品を除けば、ほかにはない花にフィーチャーしたブルーレイのBGV、高画質で撮影された花々の映像を、心地よい音楽といっしょに楽しめるでしょう。内容としてはちょうど NHKで深夜に流しっぱなしになっている、ナレーションなしの音楽付き映像番組や、ニュースの合間に挿入されている季節の花の話題がたくさん集まったもの、を想像していただければよいかと思います。全般的に小粒な感じなので星は4つ。
1. 向日葵(ひまわり) → パッケージにも使われている一面のひまわり畑。比較的カットも少なく、雄大な景色をゆっくり楽しめます。
2. 花菖蒲 → 普通に菖蒲園で撮影した素材がベースなので、そう珍しいものでもなく。
3. 薔薇(ばら) → こちらも普通にバラ園で撮影した素材がベース。綺麗に撮影されていますが、並といえば並。
4. 桃 → かなり地味ですが、里山って感じで、これもこれもよいのはないかと。
5. 菜の花 →「1. 向日葵(ひまわり)」同様、風景に広がりがあって心地よいです。春が待ち遠しく感じます。
6. 紫陽花(あじさい) → 青空の下、雫に濡れた紫陽花というのもよいものです。ドビュッシーのアラベスクが妙にマッチしています。
7. チューリップ: オランダで撮影した素材も含まれているようですが、うーん、天気に恵まれなかったのか、カメラマンの腕が悪いのか、いまいちなカットが多いのが残念なところ。
8. 百合(ゆり): トビシマカンゾウ(ワスレグサ属)なので、一般的にはユリとは呼ばないと思うのですが。確かにユリ科だから広くいえばユリでしょうけど、普通に考えてユリといえば、ユリ属の花のことをいいますよね……。せっかく綺麗に頑張って咲いているのに、タイトルが「百合」では期待外れに思う人も少ないと思いますから、変えてほしいものです。
9. 彼岸花(ひがんばな): ひたすら彼岸花である点を除けば、「1. 向日葵(ひまわり)」や「5. 菜の花」のようにBGVとして風景を楽しめるトラック。特に最期のライトアップされた群生は、彼岸花という名前もあるでしょうが、怪しげな麗々しさがあって、なんともいえない美しさを感じます。
1. ヨコハマ・トワイライト・タイム=1981年と引き分け
2. サマー・モーメンツ=このアルバム収録のほうが優れている
3. アイル・コール・ユー=1982年のシングル盤はミックスダウンと途中の外人男女のトークが小さいがリメイクはエンディングの装飾過多が惜しい…
4. アイル・ネヴァー・レット・ユー・ゴー=圧倒的に1982年のアルバムバージョンのアレンジが優れているボーカルのリテイクのみで十分!! ストリングスとブラスアレンジに角松の歌声が絶妙、これぞA.O.R!!
5. テイク・ユー・トゥ・ザ・スカイ・ハイ=1983年のコーラスアレンジがやや小さく感じられるが、12インチシングルバージョンを意識して、10年後のボーカルとパーカッションの打ち込みは吉!
6. ロンリー・グーフィー=はじめてドラムの演奏をアルバム収録、なかなかセンスもあり、ボーカルもこれまた良い!
7. テイク・ミー・ファー・アウェイ=E.BASSがシンセベースに置き換えられているものの、青木智仁のチョッパーが絡む辺り、艶の増したボーカルも面目躍如。当時のコーラスアレンジがやや小さいのが気になるくらい、12インチシングルバージョンを意識して、10年後の作品と繋げている。
8. エアポート・レディ=16ビートを微妙にシャッフルさせつつ、多彩にグルーブがンを生み出す打ち込みシンセベースのテクニックは云わずもがな!!ブラスアレンジが生のブラスであったらプラスαになっていただろうに...、やはり主旋律の上を歌う地声の字ハモは駄目。当時の女性コーラスアレンジ陣のほうが良かった。ボーカルは向上しているが...
9. ユーアー・ノット・マイ・ガール=『KORGのM1』と『TR−808(八百屋)系とシンセベース』、ボーカルも悪くないが、1985年、1986年のシングルテイクが良すぎるのでグルーブ感で言えば過去に軍配が上がる(未CD化)
10. アイ・ニード・ユー=山下達郎に「白玉のピアノを弾かせたら右に出るものはいない」と云わせ締めた佐藤博A.PIANOを堪能したいのなら『AFTER 5 CLASH』だが、ボーカルはこのアルバムのほうが断然良い!
ディスク:2
1. ガール・イン・ザ・ボックス=オリジナルテイクの7インチシングル、N.Y.にて制作。面子が凄い!
2. ゲット・ダウン=ギルバート オサリバンの名曲をキーを一音上げ、ダンサブルにカバー
3. マーメイド・プリンセス=『GOLD DIGGER』のアルバムバージョンが断トツで優れている
4. ノー・エンド・サマー=『GOLD DIGGER』のアルバムバージョンも良いが、未CD化のシングルバージョンが断トツで優れている、ボーカルほかのリミックス、エンディングの多重コーラスにアドリブのメロディー、スクラッチ、逆回転、そして音圧があり、このシングルバージョンが「なるほど ザ ワールド」のエンディングテーマに。
5. ドアの向こう=オリジナルテイク
6. ウィ・キャン・ダンス=オリジナルテイク
7. ディス・イズ・マイ・トゥルース=オリジナルテイク
8. シーズ・マイ・レディ=オリジナルテイク
9. ランプ・イン=趣味の問題。はじめて聴いた入門編『T'S BALLAD』収録のボーカル、吉田美奈子のコーラスアレンジ、大谷和夫のストリングスアレンジ、数原晋のブラスアレンジが素晴らしかったので個人的には1985年の思い入れが強い。
10. スティル・アイム・イン・ラヴ・ウィズ・ユー=これも『T'S BALLAD』がはじめて聴いた入門編なので・・・
余談:通信販売でしか購入出来ないDVDの『REVENGE Disc3〜4』は手放せない宝物である。故青木智仁、故浅野祥之のメンバーで、貴重な名作ライブである!!
やっぱり・・・♪アローン・アゲインがいいですよね。かつて、いろんなCMに使われてきたスタンダードですが、私は、ギルバート・オサリバンの歌声とともに、イントロや間奏のギターの音色も大好きです。
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