バッハのゴルドベルク変奏曲といえば、グールドのピアノ演奏が有名ですが、本来はチェンバロで演奏されたのでしょう。その意味ではこの曲は作曲者の原点に戻っている、というだけでなく収まりの良いように楽譜に縛られず工夫しています。聴いていて心地よくなる曲ですね。 チェンバロでの演奏は結構多くの人によってCDで出されていますが、その中でもこの一枚は優れているものです。 ところでバッハエディションということでシリーズで録音する予定の様ですが、今までに3枚でているCDのジャケットは”さそうあきら”氏がデザインされています。さそう氏といえば「神童」や「マエストロ」を描かれた漫画家で、このシリーズのジャケットは統一感があって良いですね。 実は私はジャケ買いでした^^;
バロック奏者として活躍される西山まりえさんのハープ作品。タイトルに「シャンソン」とありますが、ルネッサンス時代の楽曲で、今のシャンソンとは異なります。古典音楽以降の平均率と違って正調の調律は、聴く者をほっとさせるところがあります。ルネッサンスダブルハープの演奏・録音は非常にめずらしいですが、秀曲を選んだこのアルバムは、音楽の原点をしるうえにも貴重で、かつ毎日聴いてもあきない音楽がちりばめられていると思いました・・
400年以上前に遡り現代ロマンを展開する壮大な歴史絵巻に圧倒されました。日本人としての西洋音楽受容のルーツをたどり、時として、枠を超えて、ジャズやフラメンコのようにグルーヴする音楽は、何度聞いても楽しく、哀しく、せつない感興を呼び起こされます。クラシックの音楽史部門のなかで販売されるより、もっとポップな分野で販売されれば、さらにブレークするんじゃないでしょうか。個人的には、ここ10年で聞いたあらゆるアルバムのなかでも、最も感動したアルバムでした。濱田さんを初めとしたアントネッロの皆さんの演奏レベルの高さにも、ただ、ただ尊敬の念が絶えません。仕事がらホールの管理をしていますが、是非、アントネッロを中心としたこのアルバムの皆さんを招聘して公演をしたいと夢見る今日この頃です。
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