ドキュメンタリーではないし、粗をさがしたところで得るものはないと思います。 しかしながら、最低限のリアリティは必要であり、あまりにそれを無視されると、せっかくの物語に入り込めなくなるのもまた事実です。 どこまでが許容範囲かは人それぞれでしょうが、私にとっては、あれだけの災害で消防だけが救出作業に当たる中盤以降はマイナス1。別に、消防士が主役なのが問題なのではないですよ。 マイナス2つ目は、伊藤英明氏の感情移入しにくい演技力です。内野聖陽、山田孝之ら芸達者な人達に比較すると、申し訳ないが主人公が弱い印象です。 パニックシーンの出来の良さや、家族愛・人間愛を主軸にした物語など、かなり面白い映画だったので、やや残念な部分も際立ちました。
作品のまとまり感はプロの脚本家が書いている為映画版よりもこちらの方が上です。上原多香子演じるキャラクターに難癖を付けるうるさ方もいらっしゃるとは思いますがフィクションを面白くする為の作劇術と考えれば許容範囲です。こういうストーリー上の嘘や矛盾をすべて排除していったらエンタテイメントの衰退しか招きません。むしろ嘘やデタラメを強引にねじ伏せ娯楽作品し仕立て上げるのがプロの技です。スケールはさすがに映画には敵いませんがレスキュー隊員として情熱を燃やす若者たちの成長物語として中々の佳作ドラマです。
映画観てすっかりハマりました。DVD付きなのと、フレッシュフォーの歌も聴けるのでとても良いと思います。
塚地武雅さん、映画「間宮兄弟」「キサラギ」での演技が評価されての大役抜擢。
ただ先代の芦屋雁之助さんのイメージが強過ぎたためか、正直まだまだ未知数といったところです。
それでも山下清という一人の人間像を懸命に作ろうという健気さや、彼でなければ出すことのできない温かみのある表情や仕草・雰囲気はこの人情劇には欠かせない要素になっていると思います。
新しい山下清像を作り出そうとしている塚地さんを長い目で見守ってあげたくなります。
2008年の宮崎編・山梨編、2009年の熊本編のDVD化も楽しみに待っています。
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