原曲はクラシックだったり、ポップスやイージーリスニングのスタンダードだったりして、曲名は知らなくてもたいていの人が聞いたことがあると思える曲がほとんどです。 しかし、その聴いたことのある曲をこんな風に演奏し、歌っているのを聴いたことがある人はあまりないのでは? キーボードによるテクノで無機質なサウンド。その無機質さに合わせるかのような、肉声でありながら浮遊感にあふれ生身の人間から乖離したボーカル。それでいて、ただ冷たいだけのそれこそ無機質な音楽になっていないのは、丁寧に重ねられた多重録音によるハーモニーの美しさとクリスタルを思わせる音の美しさがあるからです。 原曲がクラシックであろうと、トラディショナルであろうと、彼女たちの手にかかると、刺激的なアレンジを施され、"エキセントリック・オペラの曲"としか表現しようのない独自の宇宙に連れて行かれてしまいます。
題名は「ノエル」(フランス語でクリスマス)という意味ですが、クリスマスに限らず一年中聴いてしまうアルバムです。よく知っているはずのクリスマスソングもこの二人の手にかかると、全く新しい曲になってしまうこの不思議さ。とにかく気持ちいーい!目をつぶって聴くと、自分が一体どこにいるのかわからなくなります。買って損はありません!
このCDは発売決定を知ってから本当に欲しかった1枚だったが、実際購入後聴いてみると、期待を裏切らない良い出来だと素直に思える1枚。
様々な作曲家のカラーが色濃く反映されて飽きずに楽しめるし、何より選曲が良い。
本盤のハイライトは何と言っても、今回が初CD化の「僕らの音楽」OPテーマであろう。この曲は本当に洒落ている。番組HPでもCD化の要望が高かったので、フルサイズで聴けて満足される方も多いだろう。他にも「女王の教室」「ガイアの夜明け」と言ったTV番組から「県庁の星」「ALWAYS三丁目の夕日」といった映画楽曲まで、話題性も十分。
個人的には松下奈緒の楽曲の初CD化が嬉しい。
永く愛聴したい、そんな1枚。
昔からのエキオペファンです。
CDは全部持っているのですが、サンサーラのために買いました。
コピーガード付CDなのが非常に残念ですが、その点を除けば非常によい出来だと思います。ベストの選曲もよいですし、サンサーラも、エキオペ全盛期の音楽のうまく延長線上にあって、昔からのファンの期待を裏切りません。
正直今お二人がやっているソロ活動の曲はエキオペとイメージ変わり過ぎててあまり好きではありませんので、今後もこんな感じで曲が出てくれると嬉しいのですが。
これは今聴いても、相当変わってますね。書上奈朋子という方の才気は、常人の求める感じとは別の次元でどんどん突き進んでいる感じです。クラシックやブラジルものなどのメロディを使いながら、やっていることはかなりエレクトロな打ち込みだし、日本のグループとしては最近では考えられないほどに斬新だと思います。ここんとこの日本のエレクトロニカは美しいものを描こうとしているのがほとんどなのに対して、彼女の描く世界はどこまでもイビツでエキセントリックです。それはもうジャケットやインナーの写真を見ても一目瞭然で、狙っているところが今のエレクトロニカシーンとは根本的に違います。百歩譲って神秘的なのは共通点だとしても、こっちの神秘にはオカルトが含まれているような妖しさ満載です。そしてそこがいい。他にはないというのは、やはり評価すべきだし、聴いているとこの世界にどんどん引き込まれます。ミュージシャンとしての力量も相当なもんで、こんな風にやりたいというのではなく、これをやるんだという強い意志がはっきりと伝わってきます。
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